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マタニティ・ママ

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  • 2008-09-15
  • 投稿者 : 恥ずかしがり屋のあた
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連作30 白連作14 まゆ
+++++++++++++++++++++++++++++++
 種別 連作系第30期 白連作14
 題名 『 まゆ 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年09月11日01時18分
 注釈 行頭スペース+30W
+++++++++++++++++++++++++++++++
SUBJ:【白連作】14 まゆ

 ST V.4.6 SLBs Nobi-Standard

 すべてを白紙に 原点に戻ろう 白々と 白連作 #14(B群)




           『 まゆ 』


                        作:しびる





  どれくらい歩いただろう バッグはどうにか救出したものの 携
 帯電話は車内に残したままで まああったところで電波が通じるか
 どうか怪しい感じ まるで獣道のような僅かな轍を辿って歩き 空
 が茜色から濃紺に変化して ようやく 建物が見えてきた

 『どう見たって空家よね で どうするの 夜道は危険でしょ』
 『ああ そうだな 歩くのも疲れたしな』
  久し振りの会話 さっきからずっと黙っていたから 急に声にす
 ると喉がいがらっぽい 少し咳払いして 山の端は黒い切り絵だ
 『それじゃ決まりね 中が湿気ってなきゃいいけど まったく』
  オフロードと言っても 結局はオンロードでの規格品 大自然に
 太刀打ちできる性能じゃない 沼地に水没して呆気なく動かなくな
 って 連絡も取れない山中を歩きずくめ なにをしてるんだろう
 『誰も住んでないみたいに うーん 見えるけど どう』
 『住んでないだろうな どうしてこんな所に一軒だけあるんだ』
  そのとおり 茅葺き屋根には雑草どころか低木まで生えて 繁る
 木々に真っ黒な室内が見え隠れしている もう何年も いや何十年
 も誰も立ち入ったことすらないような そんな感じがする
 『でも 仕方ないわよね 野宿よりはましだと思うわよ』
 『そうだな 厄介なことがなけりゃいいが 夜露くらい凌げるか』
  なにか踏みつけた 足元を見ると錆びたバケツ 顔に張りつく蜘
 の巣を払いのけて その昔は通り道だったらしい場所を選んで歩く
 噎せ返るような植物の香り 不意に 軒下に抜けた
 『いやな感じね なにかこう 幸せな感じじゃないじゃない』
  あたしの問い掛けに答えず 彼はどんどん先を歩く 家の中は真
 っ暗でよく見えないが 縁側とおぼしき場所には箪笥の引出部分だ
 けが放置されている 侵入者が家捜ししたのか それとも
 『ここから入れる まあどこからでも同じだがな』
 『家には玄関から入るものよ 思ったよりカビ臭くないわね』
  玄関は開け放たれている 朽ちた引き戸を踏みつけて 侵入すれ
 ばまだ足元は土 それもかなり踏み締められた土は そうか昔の家
 は土間とか言って 入ったすぐは地面だったりするらしい
 『かなり荒れてるな 俺達だけじゃない 同じように来た奴がいた
 んだろうな この様子なら土足でも構わないだろう』
 『そうね 裸足じゃ危ないかもしれないから あっ あれなに』
  土間には台所があって 赤錆びだらけの鍋や割れた食器が散乱し
 ている 足元を見れば薪を燃やした跡 この場所で火を燃やした人
 間は昔の住人ではないだろう 上がり戸の向こうになにか見えた
 『この上が居間かなにからしいな なにってなんだ なんだ』
 『あれよ ほら隙間から見える なんだろ 動物かしら』
  戸の隙間を指さす ちらちらと見えるのは茶色い塊 彼は躊躇せ
 ずに戸を引き開けた 足の折れた卓袱台の上に茶色の物体 土の山
 のようにも見えるけれど もう少し有機的ななにかだ
 『なんだこれは 蟻塚 いや繭だな 糸を引いている』
 『やだ 気味が悪い こんな大きな繭ってあるの なんの繭よ』
  確かに繭のようなもの よく見れば卓袱台の端に細い糸のような
 ものが見える そろそろ本格的に暗くなってきたから 眼を凝らさ
 ないと細部の判別は困難だ 繭にはサナギが入っている
 『ねえ この家は気味が悪いわ 野宿でいいから でましょうよ』
 『まあ待て 興味があるだろ 新種の生物かもしれない』
  どうして好奇心が湧くのか あの大きさなら羽化すればかなりの
 サイズ 危険じゃないにしても不気味だと思う 今の今がその時期
 でなくても 気味が悪いことには変わりない 脱出が賢明
 『中身は そうだな人間くらいの大きさだろう そんな昆虫ってい
 ないぞ 映画や小説なら最初の犠牲者になるシーンだな』
 『わかってるなら辞めなさいよ 食べられても知らないから』
  彼は土足で居間に上がる 敷居が嫌な音を立てて軋み 靴のカタ
 チに畳が沈み込む この家は腐っている 腐った家に巨大な繭 ど
 こかに成虫が潜んでいそうな気がして 背筋に寒気が走る
 『見てみろ 中身は空だ もう羽化して逃げた後だな どこかその
 辺りにいるんじゃないか 繭なら 巨大な蛾かなにかだろ』
 『やだっ もういいじゃない 野宿でいいから ねえ』
  彼は繭の中を覗き込んでいる 車のキーで殻を押し拡げて 肌色
 の内側がこちらからでも見える なにか どこかで物音がした
 『ねえってば もういいじゃない 早く逃げましょうよ』
 『逃げるってなんだよ お前 本気で怖がってるのか だいたい』
  また物音 さっき入ってきた玄関の外から 誰かが小枝でも踏み
 つけたような 咄嗟に入口に視線を向けて 再び彼に視線を戻した
 とき とても信じられないようなことが起こっていた
 『ちょ ちょっと 冗談は辞めてよ ねえ ねえってば』
  彼は返事をしなかった さっきまで押し拡げていた繭の切れ目に
 上半身を潜り込ませて いやまるで繭に飲み込まれているような姿
 勢で 足をバタバタさせながらもがいている あたしは瞬間硬直し
 てしまって 声にならない叫び声を上げていた
 『な な なんで ねえってば あっ あああああっ』
  むじゅむじゅと変な音を立てながら彼の身体が飲み込まれてゆく
 こんな世界の果てで 誰も助けを呼べない場所で 足がすくんで動
 けない 普通じゃない角度に彼の足が捩曲げられて 飛びついて引
 き剥がそうなんて 彼が完全に飲み込まれて思い付いた
 『や やだっ やあっやあっ もうどうしてっ』
  叫びながら居間に駆け上がる 繭を叩いて泣き叫ぶ しかし繭は
 生き物のそれではなくて まるで木の幹かなにかのように堅く完全
 に閉じてしまっていた なにが どうしてこんなことに

  背後に気配を感じて振り返った そこにはまるで何事もなかった
 かのように彼が立っていた 怪我もなく 薄暗い土間にあたしを眺
 めながら でもすぐに 彼じゃないことがわかった














             》 しびる 《

+++++++++++++++++++++++++++++++
(のりこ)>ホラー なのかと思ってましたけど こうして読み返し
      てみると違いますね これはフォビア いわゆる恐怖症
      の類だと読み解きましたがこれ如何に?
(しびる)>んー ならどんな恐怖症だよ
(のりこ)>うまく言えないですけど 水中に深く素潜りして頭を突
      っ込んだところで抜けなくなったような感じ?
(しびる)>閉所とか狭所の類か ちょいニュアンスは違うけど そ
      ういう感じをどうにか具現化できないかと模索した作品
      だな でもしかし そういう神経症のない人間にはサッ
      パリなんだろう 描いてて不毛な感じはしてた(苦笑)
(のりこ)>深海に沈んで動かない潜水艇の空気が残りわずか そう
      いう設定なら一般の理解も進むでしょうに?
(しびる)>ちょっと違うし そもそも直説じゃ意味ないしなあ
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Appendix

そうめんのカビ

 そうめんに限らず 穀物に生えるカビには発ガン性のあるものも存在します もったいないですがそうめんにカビが生えたらば廃棄処分しましょう 同じようにモチやパンもカビが生えたものは食べない方が賢明です

文責:そうめん愛好家・篠原のりこ


関連項目
編集会議 138
*議事録後半に『そうめんのカビ』について触れています


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Author:篠原しびる
  
 ネット作家・篠原しびるが各所に書き散らかした作文を分類整理するために開設されたのが『篠原リサイクルテキスト研究所』です 篠原しびるをご存じではない方も心配しないでください 当研究所が開設されたからには 篠原しびるが思いの丈を注ぎ込んだ様々な作文をつぶさに閲覧し その人と成りをば誰の目にも明らかになるように見事分類整理されてしまうことでしょう しばしお待ちください そしてとくと堪能してください

 いつも思うのですが冒頭の挨拶はこれくらい曖昧でもいいのでしょう(ジオ分室トップページより抜粋)

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