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編集会議 144
(しびる)>ういーっす このブログはなんだな 放置すると雑草が
      生えるのな のりこちゃん なんか食うものくれ
(のりこ)>あ おはようございます てか のりこちゃん? 長く
      仕事してないと敬称とかややこしくなってません?
(しびる)>あ? あーそうか んー のりこ でいいのか むう
(のりこ)>そりゃまあ敬ってもらうに越したことはないですけどね
      いきなしこられてもヤキソバくらいしかできないですよ
(しびる)>なんでもいいや それとビールな しかしこちは雪がね
      ーのな くやしいから天災系の環境変数をいじろうか?
(のりこ)>そんなことで災害を起こされちゃ たまったもんじゃな
      いですけどね ビールっす 寒いのにビールです
(しびる)>寒くてもビールだろ 長い付き合いなのになにを言うか
      な 食事はめん類 飲物はビール これ最強な
(のりこ)>なんなら焼酎とかもありますよ 私は最近の晩酌は焼酎
      メインですし 麦が中心ですけど 試してみます?
(しびる)>なんだお前は 30女がひとり暮らしで焼酎かよ(笑)
(のりこ)>なぜ笑われますかね 食材に合うアルコールを選ぶのは
      豊かな食生活の基本じゃないですか そもそも なにを
      食べてもビールって そゆのこそ笑われますよ?
(しびる)>ビール最強じゃん 世界のあらゆる食材にまったく違和
      感なく適合する最強かつ最優しい飲料 ビール万歳
(のりこ)>最優しいって(笑) んじゃヤキソバができましたよん
      タマネギは入れるなって苦情に配慮しました お肉は豚
      肉ですけど バラ肉だからいい感じに脂が利いてます
(しびる)>ふむ ずるずるずる なにこれ? キクラゲか?
(のりこ)>おとといだかに八宝菜したときの残りが冷凍に あーそ
      うだ 青ノリふりますね 顔をどけてもらわないと
(しびる)>ふむふむ ところでのりこちゃん じゃねーや のりこ
      お前もう長いからキャラ替えようか? かなり大胆に
(のりこ)>なんですかそれ? そゆのは他人からどうこう言われる
      もんじゃないと思いますけど? ビール足りてます?
(しびる)>いやさ とにかくビールくれ もう10年以上そういう
      キャラだと飽きてこないか? いいならいいけど
(のりこ)>あー 良いも悪いも私は私ですから? しびさんがなに
      を仰ってるのかまったく理解できないですけど?
(しびる)>まあいいならいいんだ 聞き流してくれ 名前がのりこ
      だとかひとりっ子だとか ちびっ娘のドジッ娘のテキス
      ト系のオタっ娘だとか それでいいならいいんだけど
(のりこ)>なんかバカにされてるんですかね 怒っていいのかなあ
(しびる)>バカにしちゃいないよ ウチのアシスタントはそれでい
      いんだけど んぐんぐんぐ ぷはー もう何年になる?
(のりこ)>何年って この関係ですか 10年じゃ利かないでしょ
      うね あのですね 昔話って もしかして最終回とか?
(しびる)>なんだそりゃ 人生の最終回はまだもうちょい先だろう
      に いろいろ梃入れしなきゃいけないのは別問題で
(のりこ)>梃入れもいいですけどね しびさんにはもうちょい事務
      所に来てもらわないと それこそお話にならないです
(しびる)>だわな うい ごちそうさん コーヒーくれ
(のりこ)>変にお行儀がいいですね まあいいですけど やっぱし
      かなりお忙しいですか? どうにかならないですか?
(しびる)>どうにかねえ どうにかなるんだろうけどなあ プライ
      ベートでもいろいろ忙しいのよ 言い訳だけどな
(のりこ)>そゆ意味でならスタイルを変えるのもありかもしんない
      ですよ コーヒーっす しばらくぜんぶ辞めちゃって
(しびる)>あえて辞めるか それもいいかもな ならこの状態じゃ
      ん? 月イチなんざ開店休業もいいとこだし
(のりこ)>でですね この編集会議だけなんとなく続けるとか そ
      もそも編集会議が展開してメルマガになって そのスピ
      ンオフがすきまブランチじゃないですか 意味的には元
      に戻るだけですよ なんなら旧作再掲載も中止で
(しびる)>それが落としどころかもな でもダメだな ユルイ方向
      にシフトするのは不可 ダメなときこそあえて攻める
(のりこ)>そう仰ると思って提案したんですけどね
(しびる)>そう言うだろうと思ったけどな まあとにかく そろそ
      ろペースを上げていこうとは思う なんとか2月は時間
      も作れそうだし さすがに放置も限界だし
(のりこ)>そんな感じでお願いします んじゃ早速いろいろ立ち上
      げますか? いろいろネタは用意できますけど?
(しびる)>あー(苦笑) まあ この続きでいいじゃん
(のりこ)>言った舌の根も乾かないウチに(笑) んじゃまずなに
      からやりますか? 無難なとこでテレビ枠とか?
(しびる)>テレビねえ ならM1くらいまで遡らなきゃいかんか?
(のりこ)>うわ古っ M1ならサイドウィッチマンですか あれか
      らいろいろでてますけど いまいち薄いですね
(しびる)>でかい事務所じゃねーしな 漫才のネタとフリートーク
      は別もんだろ その関係は以前にも話したけど
(のりこ)>でもネタ見せ番組って事実上エンタのみじゃないですか
      そういやエンタって芸人の縛りがキツイらしいですね
(しびる)>それ有名な エンタで売り出した芸人とか 他の媒体で
      その芸ができなかったり まちゃまちゃとかさ
(のりこ)>彼女とかそうですか なるほど そういや他のトーク番
      組では芸名替えたりして どうなんですかねそゆの
(しびる)>自滅するだろうな ことメディアに於てエンクロージャ
      ーはなにも生みださない 文化はすべて互恵の産物だな
(のりこ)>著作権とか そういう考え方もあるじゃないですか 囲
      い込んでこそ利益が発生するとか?
(しびる)>レベルの問題だけどな あと『水どう』がV局の方でも
      始まってるじゃん U局はクラッシックで欧州編 今度
      はその欧州リベンジ編 並べてみるとややこしいよな
(のりこ)>なんであんなのが好きですかね 代わり映えしないメン
      バーがバカ騒ぎしながらうろうろするだけでしょ
(しびる)>それがおもしろいのな のりこには理解できんか いろ
      いろ大量にチェックする生活を長いこと続けてると な
      にが自分に必要なのかってエキス分が決まってくるのな
(のりこ)>それがあの番組ですか まあいいですけどね あとアニ
      メ関係もかなりエライことになってますし
(しびる)>アニメなあ とにかく見てるのは『墓場鬼太郎』と『俗
      ・さよなら絶望先生』くらいかな とにかくアレだな
(のりこ)>墓場鬼太郎はちょっといいですよね リアル鬼太郎って
      言うと実写キャシャーンみたいな感じですけど
(しびる)>OPもいいな 電気グルーヴのアニソンはめずらしいか
(のりこ)>いかにもオタ業界のカテゴリーなんですけどね なんか
      ありましたよ 覚えてないですけど
(しびる)>さて 100行越えたな リハビリっちゃこんなもんで
      いいか とにかくいろいろなまってるからな
(のりこ)>みたいですね とにかく時間がなくても短時間でも来所
      してください そゆとこから始めてもらわないと
(しびる)>わかってる んじゃま またあした来る
(のりこ)>はあい でわでわ
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連作31 緩連作13 たまにケジメも
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 種別 連作系第31期 緩連作13
 題名 『 たまにケジメも 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年12月10日01時34分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】13 たまにケジメも

 ST.4.8 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #13(B群)




         『 たまにケジメも 』


                        作:しびる





  神経が研ぎ澄まされると普段以上の能力が発揮される いやそれ
 ほど大袈裟なことではないけれど いつもの朝はあれだけ辛くて目
 覚めないのに きょうに限って目覚まし時計に勝ってしまった そ
 れも僅差の10秒前 しかし素晴らしい勝利だとは喜べなかった

 『それがねー なんか緊張しちゃって 朝なんか早起きだもん』
 『なんだそりゃ でもまあ その気持ちもわかるな ふむ』
  運転席に彼 そしてその隣にあたし 緊張するって話に同感の彼
 はさっきからタバコを吸いまくり 堪らないから窓を開けて ちょ
 っと涼しい風も仕方がない 休日の午前中 信号待ちの会話
 『いっつも遊びに行ってるのにね それとー タバコは辞めてもら
 わなきゃ すんごい迷惑って自覚ないでしょ そのなに 父親の』
 『あー悪い それもそうだな 今から辞めるよ これで最後な』
  父親って表現にすこしだけ躊躇した 煙に噎せながら思わず会話
 に混ぜ込んだけど 軽々しくクチにするのもどうかな
 『ごめん 別にムリして辞めなくてもいい あたしのいないとこは
 構わないから でも 健康に気を付けるなら辞める方がいいけど』
 『珍しく寛大だな ならそうするよ 土産でも買うか』
  幹線道路から路地へ 混雑した住宅地を抜けると目的地も遠くな
 い ゆったりした敷地に平屋の建物が並ぶ もう見慣れた光景にき
 ょうは動悸が激しくなる お土産なら後部座席に置いてある
 『朝 話したのに ひよこ饅頭が買ってあるって すぐ忘れる』
  そうだったっけなんて返事を聞きながら あたしも慌てて振り返
 る 自分の行動がすべて妄想になってしまう錯覚 とんでもない大
 失敗をしてしまいそうな不安 気にしすぎ 気が弱いから
 『なんかね たぶんなにも問題がなくてね いつもどおりにしゃん
 しゃんしゃんってことになるんだろうなーって そう思うけど』
 『なにも問題なんてないだろ ないハズだろ ないよな』
  遠くひときわ大きな屋根が見える あれが目的地 彼の実家 も
 う何回も遊びに来たことのある家だけど 心なし車の速度も遅いよ
 うな 彼も緊張しているのか 自分の家のくせに 気が弱いなあ
 『ないんでしょ あたし悪く思われてないよね お父さんもお母さ
 んも気だてのいい娘さんだって たっちゃん言ってたもんね』
 『狼狽えるなよ いつもどおりでいいんだよ 元気よくな』
  生垣の前にゆっくり停車する 最後とやらのタバコを灰皿に揉み
 消して 彼があたしの眼を見つめる ただ元気よくじゃバカみたい
 なのにと そうは思うけど 陰気な態度じゃ話にもならない
 『うん いつもどーりいつもどーり あっ お母さんだ』
 『お母さんって呼ぶと喜ぶぞ その線で行くか』
  彼の両親だから 常識的にはおじさんおばさん まあ以前からお
 母さんって呼んでるわけだし でもお父さんはおじさん その辺の
 区別は微妙なところで 門扉のところで微笑んでいらっしゃるのは
 お母さん 到着予定時刻には30分ほど早いのに
 『なんだよ そんな大袈裟に出迎えてくれなくても で 親父は』
 『ゆきちゃん いらっしゃい さあさ中へ お父さんもいるわよ』
  いつもより15度くらい深くお辞儀して 彼はぶっきらぼうにポ
 ケットに手を突っ込んで お母さんは満面の笑み お土産のひよこ
 饅頭は車に乗ったまま と思ったら彼が傍に抱えている ふう
 『これ ゆきと俺からな 美味いって評判の饅頭 ゆきが選んだ』
 『あらそう あなたが思い付くことじゃないものね ねえ』
 『いえ たっちゃんが あのその あたしだけじゃないです』
  お母さんと彼は親子だから 謙遜やらなにやらの具合がわからな
 くなる あたしはお客さんだけど彼側ですこし下げなきゃいけない
 のに お母さんは迎える側なのに彼のお母さんで このお土産はあ
 たしからなのか彼とあたしからなのか 純粋にあたしが持ってきた
 ものなら簡単なのに ゆきと俺からって 彼の台詞が悪いのだ
 『いいのよ 抜けた息子だもの ゆきちゃん 助けてやってね』
 『いえっ そんなっ あたしこそぜんぜん頭が回らなくて その』
 『抜けた息子ってのは酷いな 先に話を詰めるなよ 勝手にさ』
  どのような用件か それについては連絡してないらしいけれども
 普通に考えれば誰だってわかる 休日に両親の所在を確認して 息
 子が彼女を連れてやってくる ゲーム大会でないことは確かだ
 『おう ゆきちゃん よく来たね きょうはひとりかい』
 『なんでゆきがひとりで遊びに来るんだ さて 用件だけど』
 『あらあら 早速本題に入っちゃうのね お父さん ほら座って』
  あたしがちゃんと挨拶する前に 彼がどんどん話を進めてしまう
 どうもこの家の人達は話が早い ウチはどちらかならゆっくりな方
 だから この勢いには押されてしまうことがある 別にいいけど
 『なんだお前 いいネクタイをしてるな ゆきちゃんが選んだか』
 『お父さん 大事な話なのよ 茶化さないで ごめんなさいね』
  お母さんはあたしに向かって謝っている 床の間を背にしてお父
 さんとお母さんが座り あたしと彼が座布団を外す この仕草は事
 前に相談して決めてある 動悸が激しくなる 凄い緊張だ
 『ゆきの御両親には挨拶を済ませた こんな俺でも許してくださる
 そうだ 親父 お袋 ゆきと結婚しようと思う 認めて欲しい』
 『お父さん お母さん よ よろしくお願いします』
  ふたり揃って畳に頭を付ける ウチでやったときにもそれなりに
 緊張したけれど この緊張は尋常じゃない なんだか耐えられない
 間が続く もしかして それとこれとは話が違うなんてことに
 『ああそうか 反対する理由もないしな ゆきちゃん こんなバカ
 息子と一緒になって 苦労するかも知れんぞ 覚悟してるか』
 『どんな苦労も きっと一緒なら 苦労じゃないと思います』
 『よろしくお願いしますね さて そうと決まればお食事 ゆきち
 ゃんも手伝ってね あなたもぼさっとしないで ほらほら』

  いつもどおりしゃんしゃんしゃん なにも問題なく話が進む お
 父さんは腕を組んで頷いている 彼はバカ息子ってことはないだろ
 うなんて言いながらタバコに火を点ける お母さんは立ち上がって
 あたしも慌てて立ち上がる ぼさっとしている彼はここの家の息子
 で あたしはそのうちこの家の嫁になる なにか感慨深い
  用件が済めばいつもどおり お母さんの料理を手伝って みんな
 で食卓を囲んで楽しいひととき でも結局 彼が父親になる話はで
 きずじまい それはまた日を改めて ってことらしい








             》 しびる 《
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(のりこ)>これはなにかのシリーズですかね 単体で成立してます
      けど これはまあしかししびさんの真骨頂ですね
(しびる)>こゆのキライじゃないけどな
(のりこ)>大好きでしょうに(笑) 私はしびさんのこゆのを読ん
      でるとホントに幸せな気分になりますよ このひとの下
      で働いてるのは勉強になるなあと感心しますもん
(しびる)>うんまあ でもなあ 結婚の許諾も殺人死体遺棄も宇宙
      艦隊戦も描く身には同じなんだけどな 毎度言うけど
(のりこ)>まったく違いますよ なぜ同じなのか理解できません?
(しびる)>そう言って理解できなきゃどう説明しても理解なんざム
      リだろ 筋を作るって階層では素材なんかそれほど意味
      ないのな そりゃデコの部分でいろいろ配慮するけど
(のりこ)>そういうものですかねえ んじゃまもうちょい軽いとこ
      ろに話を戻しますけど これってリアルネタですか?
(しびる)>結婚の許諾か? 彼女の方か彼氏の方か? こんなとこ
      ろに私生活さらすわけねーじゃん(笑)
(のりこ)>でしょうね でもなんかこの緊張の具合は創作とは思え
      ないんですよね 細かい機微とかセリフのやりとりとか
(しびる)>そこが腕の見せ所じゃん なにを言うかなあ
(のりこ)>こゆのばかり集めて作品集でも作りましょうか
(しびる)>こんなユルイのばかりどうよ
連作31 緩連作12 終わらない
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 種別 連作系第31期 緩連作12
 題名 『 終わらない 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年12月10日01時25分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】12 終わらない

 ST.4.8 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #12(B群)




          『 終わらない 』


                        作:しびる





  朝から妙な感じがしていた いや数日前から もしかすればかな
 り以前から なにがどうなのか説明の難しい感じ 好きか嫌いかな
 ら後者の方 嫌な予感とも少し違う しかし生活の喧噪に些細な違
 和感はかき消されて それっきり 二度と思いださなかった

  耳をつんざく金属音 頭がおかしくなりそうな爆音が うねりな
 がら周囲に響き渡る これほどまでに大きな音は聞いたことがない
 巨大な機械が間近にあるのか 高音や低音が相まって 神経を逆撫
 でしながら鼓膜を震わせる まさに耳障り いやそんなレベルの問
 題ではない 思考すべてが遮られる いつからこの音を聞いている
 のか 気が付けばこの大音響に曝されて それほど待たずに脳の回
 路が破壊されるだろう 気が狂う それだけを考えていた

  全身を激痛が襲う 指先から毛髪の先端まで すべての筋肉すべ
 ての内臓が凄まじい激痛 激痛に鈍痛 すべての皮膚をはぎ取られ
 て 塩酸かなにかを浴びせられたような 生爪を剥がされる 身体
 中を食い千切られる 神経細胞すべてに限界を遥かに越える電流が
 流れる 痛い これほどの痛みをいつから感じていたのか すべて
 の激痛がうねるように 慣れることもなく麻痺することもなく い
 つまで続くのか すぐに気が狂う 耐えられるものではない

  なにかが見える 完全な闇が徐々に赤黒く 粘度を増した血液の
 ような どろどろと赤黒い光が見える 耳をつんざく金属音 身体
 を引き千切る激痛 なにが見えているのか 赤の中に濃淡
  見たことのあるようなないような 誰か人間の気配がする まる
 で熱に魘されている枕元の 現実感はこちらにある 赤黒い視界に
 人影が過る この苦しみを伝えられないものか 声が聞こえる
 『だってさあ あいつはあれで終わりだけど 俺達はなあ』
 『そんなこと言うもんじゃないって 不謹慎だろ』
  聞き覚えのある声 おそらく知人の誰か これほどの爆音の中に
 声は別チャンネルで頭の中に響く どのような仕組みか 誰かがい
 るのなら この苦しみを伝えたい しかし声にならない
 『不謹慎なわけないぜ あれからこっち どれだけ迷惑してるか』
 『だって仕方ないだろ なにも死にたくて死んだわけじゃないだろ
 うし そんなことはさあ 思ってても言うもんじゃないって』
  見舞ってくれているのか それにしては不謹慎な会話だ 死んだ
 誰かってのは誰か 病床の傍で話す内容ではない 意識が回復した
 ことを どうやって伝えることができるか 赤黒い視界
 『まあそれはそうだけどな ふんっ ああ それはそうと例の話』
  その瞬間 プツリと会話が途切れた 耳をつんざく金属音にかき
 消されたのか それとも俺の意識が遠のいたのか

  激痛に爆音 身体中が捩曲げられる苦しみ なにか酷い病気なの
 か なにも見えない暗闇に 苦しむ自分だけが浮かんでいる いつ
 から続いているのかいつまで続くのか 早く気が狂ってしまえば楽
 になるのに そう思うほどの激痛 また赤黒い光が見える
 『他にも誰かいただろ ああそうそう 同窓会なら 先に墓参りも
 入れなきゃな あんな簡単に死んじゃうなんてさあ どう思う』
 『割愛してもいいんじゃない なんか陰気でしょ せっかく楽しい
 集まりなのに 忘れてましたって それでいいじゃない』
  またどこかで聞いたような声だ 男と女の会話 誰かが見舞って
 くれているのか 赤黒い視界の濃淡が なんとなく風景となって固
 まってゆく 病室ではない テーブルかなにかが見える 妙だ
 『あはは お前って辛口トークだよな その線でいくか』
 『ならそれで決定 次は会場その他ね 恩師って呼ぶわけ』
  不意に会話が途切れる 金属音以外は聞こえない 異界も暗闇に
 戻って 消え入る瞬間 ふたりの姿がハッキリ見えた 喫茶店かな
 にかのような場所で 俺は少し上から眺めていた

  何時間か何日か もしかすれば何年も どうして気が狂ってしま
 わないのか 果てしなく続く苦痛 慣れてしまうこともなく うね
 るように襲ってくる苦痛 たまに視界が赤黒く光ると 誰かの声が
 聞こえてくる 陰気な会話 誰かの死を悼む話題ばかり
 『ふうん お母さんの弟って ああそうか あたしの叔父さんにな
 るのよね この人だけ写真が凄く若いけど いつ死んだの』
 『あなたが生まれるずっと前よ そうね 10年くらい前かしら』
  聞き覚えのない声だ 母親と娘の会話か どうして病床で陰気な
 話ばかりするのか 赤黒い濃淡に人影が揺れる 会話が続く
 『凄く元気だったのに ある日突然死んじゃったの かわいそうだ
 けど 苦しまなかっただけでも幸せね もう昔の話よ』
 『ふうん そうかあ あたしも苦しくないのがいいな 死ぬなら』
  視界が徐々に鮮明になってゆく モノクロテレビに赤色のフィル
 ターを掛けたような やはり人影は女性と少女 場所はどこだろう
 病室ではない どこか和室のような 声が掛けられないか
 『でも 死んじゃったらどこに行くんだろ お父さんは消えてなく
 なるんだって言ってたけど 天国とか地獄とか あるよね』
 『そうね 温かくてふわふわした なーんにもないところで静かに
 暮らせるのかもね たまにこっちに来たりして 様子を見にね』
  母親の言葉に娘が答えて 楽しそうな会話が続いている 身体を
 引き裂かれる激痛 気が狂わんばかりの爆音 どろどろとした赤黒
 い視界にふたりの姿が揺れている この苦しみを 伝えたい
 『さ お参りを済ませたら大掃除よ 一緒に手を合わせましょう』
 『はーい ふわふわした温かいところかあ なんか楽しそうだね』
  視界が暗黒に消え入る寸前 少女の頭上に掲げられた写真が見え
 た 横に並んだ数枚の写真の中央に つまらなそうにこちらを見つ
 める男性の遺影 あれは ああ 俺の写真だ

  いつから続いているのか そしていつまで続くのか 叫んでも声
 にならない 暗黒に世界に金属音が鳴り響く 全身を引き千切られ
 るような激痛 気が狂いそうな苦痛がいつまでも続く いっそ狂っ
 てしまえれば いくらか楽になるものを それすら許されず いつ
 までもいつまでも 限りなく苦痛が続く 誰か 助けてくれ









             》 しびる 《
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(のりこ)>ひどいお話ですね しびさんはたまに死後のお話を描か
      れますけど これはその中でも最低ですね
(しびる)>んー 行って帰ってきたやつなんかいねーし 消えてな
      くならないならどんな世界があるよ? 果てしない苦痛
      が続くってことを否定する証拠もないよな
(のりこ)>それは まあ そうなんですけどね あんましじゃない
      ですか? それと しびさん的に確定してるのは 誰か
      が思いだすときに魂が召喚されるって仕組みですね
(しびる)>これはデフォだな リアル生活でも墓や仏壇に手を合わ
      せるんじゃなくて 故人の供養は思い返すことだと考え
      てる 人は死ねばすべて無に帰ると思ってるし 唯一こ
      ちらの記憶にデータとして残ることに意味があるのな
(のりこ)>なるほど しびさんの生死観はそんなふうだろうなと思
      ってました お墓の前で泣かないでくださいってやつで
      すね わりとポピュラーで安心しました
(しびる)>それとはまったく違うだろうが 魂なんてものは存在せ
      んのだ どこにもない ただここにだけある
(のりこ)>聞きようによってはロマンチックなんですけどねえ
(しびる)>なんで理解できないかなあ
連作31 緩連作11 あたしも最初から
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 種別 連作系第31期 緩連作11
 題名 『 あたしも最初から 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年12月03日01時52分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】11 あたしも最初から

 ST.4.7 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #11(A群)




         『 あたしも最初から 』


                        作:しびる





  すっかり窓の外も暗くなって さっきまでの夕焼けが嘘のように
 今は部屋の様子がガラスに反射している 遠く見えているのは校庭
 の街灯 その周囲だけ青白く滲んで こちら側の世界に浮かんでい
 る 眼を凝らせば妙な距離感 ぼんやり眺めて頬杖を突く

 『新館の自販機がダメだったからさ 購買部のを買ってきた』
 『あっ すみません えーっとお金は どこどこ あった』
  がらがらと派手な音を立ててドアが開く 耳を澄ませば足音も聞
 こえただろうに 急いでカバンの中身をひっかきまわして 掴んだ
 財布の中には小銭が入っていなかった 瞬間 困った顔になる
 『いいよ 面倒に付き合わせてるからね 俺の奢り どっちする』
 『そんなわけには えっと すみません あたしより水野さんが』
  そう話したところで人差指 あたしがまわりくどいことを話しそ
 うになったときの水野さんのサイン こうなったらなにを言っても
 ムダ 遠慮も気遣いも取り合ってもらえない 暗黙の了解
 『この時間はさ 非常灯くらいしかないだろ そうそう 守衛の木
 村さんが早く帰れって 大島は家に連絡しなくてもいいのか』
 『きょうは多分生徒会で遅くなるって 朝 話しましたから』
  ふたりっきりのこの場所は生徒会室 新館の2階の南端に位置し
 ていて 時間はそろそろ19時 プシッとリンプルを押し込む音
 『ふうん こうなることがわかっていたのか まあ 道理で考えれ
 ばそうなるかな 総会の前に理事会 その前に幹部会 ふうむ』
  事務机の上には散乱した書類 さっき缶ジュースを買いに行く寸
 前に あーもう大混乱だなんて叫びながら水野さんが散らかしたま
 ま あたしはぼんやりしてたから片しもせず 返事しながら束ねる
 『休校騒ぎで タイムテーブルが1日ズレ込みましたから 関連す
 る校則だけならあたしが整理しておきますよ なにも水野さんが』
 『いやいや そうもいかないだろ 大島に甘えてばかりじゃな』
  生徒会の会長と副会長 生徒会役員はあたし達以外に書記が2名
 に会計が2名 コアなメンバーで幹部会 それに各執行部の長とサ
 ークル連合会の中から互選された人達を加えて理事会 広く生徒会
 の役員会と呼ばれるのは理事会のこと その資料を作成している
 『どんどん甘えてください って それはその あたしの仕事です
 から なんでも命令を いや なにか変な言い方ですね その』
 『いや 大島がいなきゃ俺の仕事なんて まあ そうだよな』
  変なことを言ってしまった 照れているのを悟られたくないから
 書類を大きく掲げて顔を隠す 水野さんは言葉尻なんか関係なしに
 うんうん自分で頷いて あたしがいなきゃって表現が嬉しい
 『立候補だってそうだもんな 大島が一緒にやろうって言ったから
 決めたんだぜ 俺はさ 言うことは言うけど 筋道はないから』
  少し謙遜だと思う 最初の頃は確かにあたしが裏方の仕事を引き
 受けていたけれど この最近は会長主導でどんどん物事が決まって
 ゆく 今回の校則改正動議も会長の発案 あたしはすこしでも役に
 立ちたくて必死に仕事を探している状態なのに
 『それは多分 反対です あたしは水野さんが一緒だったから だ
 から頑張れるんです 凄く役に立ちたいなって そう思います』
  なんだか変な雰囲気だ きょうに限ってどうしてこんな踏み込ん
 だ話をしているんだろう 普段は話せないようなことも 書類の文
 字なんか頭に入らない 静かな部屋にふたりの声だけが響く
 『大原はさ なんでこんなに頑張るのかって思うくらい頑張るよな
 ああ ここにもある 98条の3項 これも削除に指定してくれ』
 『はい 98の3ですね でも 自分のためじゃないですよ』
  変な雰囲気だと思っているのはあたしだけで 慌てて書類をめく
 りながら小さく反論する 水野さんが鈍感なのじゃなくて あたし
 が勝手に傾いているだけなんだと そう思って溜息をつく
 『俺は そうだな なんのためにこんな面倒なことをしてるのかな
 まあひとつ言えてるのは 大島がいなきゃ辞めるな きっと』
  簡単に真意を推測してはいけない 水野さんは指先でぺんを回転
 させながら書類を睨んでいる 凄く魅力的な瞳 耳に心地よい声に
 大喜びは急ぎすぎ おそらくは儀礼的な台詞 きっとそうだ
 『ところで 仕事には関係ないけど 大島は あー まあいいや』
 『途中で辞めないでくださいよ 気になるじゃないですか』
  辞めると辞めるをこっそり重ね 世間話の流れに安心したりがっ
 かりしたり 缶ジュースに手を延ばしクチを付ける あっ これは
 間違えて水野さんの 見られてない そっと戻して知らんぷり
 『こんなこと尋いて怒られるかな 大島って誰かとつきあってない
 のか この頃の放課後はずっと生徒会だろ その辺はいいのか』
 『えっ どどどうしてそんなこと あたしは べ 別に誰とも』
  こうしてふたりっきりの仕事もたくさんしたけれど 今までこん
 な話題になったことは一度もなかったのに 水野さんはそんな話を
 しない人だって思ってたから 突然のことで狼狽えてしまい 頭の
 中は瞬間にパニック まっすぐ見返して続きが話せない
 『そうか 大島はフリーなのか ふうん それはいいな 凄く』
  あくまでも書類を睨みながら まるで世間話のように そうとわ
 かるくらい心臓がドキドキ どうして冷静にこんな話ができるのか
 見もしないで水野さんが缶ジュースを引き寄せる あたしのだ
 『大島さ 怒ってる こんな話は嫌いか そうだよな うん』
 『あたしは その 誰とも交際なんかしてません だからその』
  だからなんなのだ 喋りながら自分の言葉に突っ込んで あたし
 の缶ジュースを一気に飲み干す水野さんを見つめる どうしよう
 『職権乱用かもしんないけど 俺はさあ 最初から大島のことを』
 『まだいるか 正門を閉められないから帰れ 続きはあしただ』

  水野さんがいつになく真面目な顔であたしを見たとき 突然ガラ
 ガラとドアが開く 驚いて振り返れば守衛の木村さん 懐中電灯を
 顎の下から照らして 驚いたのは別の意味 なにもしてないのに恥
 ずかしくなって あたふたしながら書類を片す振り 間が悪い
  変に盛り上がった空気が気まずくて いつもより少し離れて一緒
 に帰った あたしも最初からって 今度はきちんと話そうって 何
 度も心の中で繰り返しながら背中を見ていた あたしも最初から











             》 しびる 《
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(のりこ)>もでらーとですね 1人称はあやみちゃん 時間軸でな
      ら例の選挙話からしばらくってところですか あたりま
      えのように当選してますけど 選挙戦を描いてもおもし
      ろかったですかね? 学園モノの定番でしょ
(しびる)>そんなめんどうなの描くかい このシリーズはでかいイ
      ベント自体は描かないって縛りがあるだろ 結婚式は控
      え室 出産は待合室 ちょい外すところが妙味だしな
(のりこ)>そういう縛りがありましたか なるほど そういやそう
      ですよね てかしびさんの作品はみんなそうでしょ
(しびる)>そう言われるとそうだわな そもそも本流からちょい外
      すってクセが実生活でもあるのな 流行りものには腰が
      引けたり 定番のあいさつができなかったり なにか奇
      をてらわなきゃ負けって感じが常にある
(のりこ)>クリエータとしてはすばらしい属性なんですけどね リ
      アル生活には厄介ですね 損すること多いでしょ?
(しびる)>そんなに損してねーけどな それにクリエータとしても
      その属性はどうよ? 本流はエンターテイメントだろ
(のりこ)>んじゃ創作活動で損してるってことで
(しびる)>なんか腹立つな
連作31 緩連作10 ふと目覚めると
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 種別 連作系第31期 緩連作10
 題名 『 ふと目覚めると 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年11月21日01時06分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】10 ふと目覚めると

 ST.4.7 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #10(B群)




         『 ふと目覚めると 』


                        作:しびる





  ふと目覚めると その直後に電話のベルが鳴った

  暗闇にダイヤルボタンが派手に明滅 しかし鳴ったのは1回だけ
 それっきり嘘のように静寂 時計を眺めると28時 まだ暗い
  電話のベルは人をたたき起こす いやそれまでに目覚めていたけ
 れど 再び眠りに入るキッカケを失った ベッドの上にぼんやり座
 ったまま 中途半端な時間を持て余す 普段ならあと数時間で起床
 する 最も深い眠りに沈み込んでいる夜明け前に なぜかまったく
 眠気もなしに座っている 少し寒い 暖房を入れる
  少し移動してベッドの縁に腰掛ける ゆっくりと動きはじめた部
 屋の空気を感じながら テレビのリモコンを操作する どのチャン
 ネルも夜の街並みと時報 遠く交差点を流れる車のライトは その
 昔ならカラーパターンだったのにと 律儀に信号待ちをする疎らな
 交通量をぼんやり眺める とにかくぼんやり 無為な時間
  手前から画面中央に向けて大きな架橋 その先に数階建てのビル
 を四方に交差点 縦に6車線 横に4車線 橋の通りにオレンジ色
 の街灯が夜霧に滲む 橋を勢いよく進んだ車両は 半分の割合で右
 折する これがどの場所でどこに向かうのか 黄色信号が赤に替わ
 り 左右の矢印が光って消えるパターン その繰り返しで車が流れ
 る 細部までは確認できないが おそらくほとんどタクシーだ
  退屈な繰り返しに少し飽きて ぱらぱらと切り替えたチャンネル
 は更に退屈な眺め 上空からの夜景や古城の石垣 仕方なく元のチ
 ャンネルに合わせて立ち上がる 飲み物だ 身体が乾燥している
  なにか有意義な ましてや生産的な作業をする気にもなれなくて
 手紙の返事を書くことも 溜めたビデオを見ることも 飲み物以外
 をクチにするのも気が退けて 部屋の照明すら点けずにベッドに戻
 る 缶ビールを飲みながら画面を眺める なにも考えず ただ
  右折車線が淀んでいる 数台の車両がハザードを点滅させて交差
 点の中央に 夜霧に滲んでいるが どうやら事故が発生したらしい
 眼を凝らせば人影も見えそうな 直進車線の車両も徐行し 交差す
 る流れは大きく迂回している どの程度の規模か 火災は発生して
 いないようだが 右折と直進の接触事故 そんな感じだ
  このカメラが設置されていなければ この時間に画面を眺めてい
 なければ おそらく一生知ることのない事故 その場の当事者だけ
 が関知する些細なアクシデント 人死にでもなければ新聞の3面記
 事にもならないような 保険会社と修理工場 数名の警官と双方の
 運転手だけ 街のどこかで毎日発生している そんなありふれた事
 故をこうして眺めている たまたま目覚めた夜明け前に たまたま
 眺めた画面の中で 夜霧の交差点に 黄色い点滅はただの光粒子
  さすがに交差点中央は危険と思ったのか それら数台は橋の袂に
 移動する 少しカメラに接近したため 街灯に照らされる数名の人
 影が確認できる だらだらとしたその動きは やはり怪我人もいな
 いふうで この瞬間から見れば屯しているだけのよう こうして眺
 めていることに気怠さを感じながらも なにか水槽を漂う熱帯魚を
 観察しているような 生きていることはあたりまえで それぞれに
 生活や葛藤があることも承知の上で それでも希薄な現実感は や
 はり遠い世界の果ての出来事 熱帯魚と同じ程度
  缶ビールを飲み干し両手で握る 画面上からパトライトがゆっく
 り走ってくる ようやく警察が到着するのか 事故発生から10分
 橋の歩道には当事者以外の野次馬も集まりはじめた こんな夜中に
 いや早朝に 暢気に事故を見物する暇人もいるものだと そう考え
 て自嘲する こんなものを眺めていても なにが一体どうだという
 のか オレンジ色の画面から視線を外し 缶を放り投げてベッドに
 横たわる 少し眠った方がいいに決まっている 今はこうして覚醒
 していても この睡眠不足があとで苦痛になるのはいつものことだ
 無理にでも眠ろうかと眼を閉じる しかし眠れそうにない
  なぜこの時間に目覚めたのか 別段尿意があるわけでもなく 電
 話が鳴る寸前に覚醒した 深夜の電話は悪い知らせ 間違い電話に
 虫が呼んだのか それともそもそもが誤解で 実はベルを聞いてか
 ら記憶を差し替えたのか 今となっては検証する方法もなく 不確
 かな確信が頭の中に残っているだけ 部屋の中は淡いオレンジ色に
 染められて 天井を眺めながらつらつらと考える
  設定温度に到達したのか エアコンが音を立てて停止する この
 時間には 眠っている人間や起きている人間 その中には仕事をし
 ている人間や病気で苦しんでいる人間もいるだろう どこか路地裏
 を歩いていたり ちょうど玄関のドアを開ける瞬間だったり 山中
 で焚き火を眺めていたり やはりほとんどは眠っているのだろう
  意味があろうがなかろうが 意識があろうがなかろうが いつも
 同じペースで時間は流れる 生まれる前も 死んでしまったあとも
 5分は5分 1時間は1時間 そのうち朝になり また夜になる
  漠然とした不安 いやもっと曖昧な 彼方まで薄モヤの掛かった
 ような やるせない倦怠感 どうなってしまおうが 結局時間は流
 れてゆく 今まで気付かなかったのは 気付いても同じだからだ
  たまらなくなって再び画面を眺める もうすっかり何事もなかっ
 たかのように 橋の上に人影はなく 交差点には車の流れ オレン
 ジ色に滲む夜霧に覆われて この場所で小さな接触事故があったな
 んてことを 15分前にこのチャンネルを観た暇人も 今まだ起き
 ている夜更かしも ましてや眠っている人間は知りようもない ぼ
 んやりと車の流れを観るうちに もしかすればさっきの事故も記憶
 のすり替えで 今初めて画面を観た瞬間 頭の中に作った刹那の夢
 かもしれないなんて そんな気がして 慌てて床に放り投げた空き
 缶を確認したりする ばかばかしい どちらでもいいのに
  夜明けの気温が最も低い いよいよ濃くなりはじめた夜霧に道路
 の輪郭も怪しくなってきた なぜこんな画面をいつまでも眺めてい
 るのかと思いはじめたとき 交差点の傍らに立っている人影を発見
 した いつからそこにいたのか オレンジ色に混じる赤い服 かな
 り遠くに立つその姿は 画面の中ではほんの小さな点 事故の野次
 馬もいたくらいだから この時間に通行が皆無なわけでもないらし
 い もしかすれば女性か こんな時間にどこへ向かうのか たいし
 た興味もなく その女性に眼を凝らす 橋の通りをこちらから向こ
 うへ 赤信号がやがて青になる そしてまた赤に 渡らないのか
  エアコンがまた動きはじめる ゆっくりと部屋の空気が温められ
 てゆく まだ朝まで数時間がある 交差点の手前で佇む女性 静か
 に深まる夜霧の街 オレンジ色の光に視界が満たされて 頭の中が
 オレンジ色の光に染まる さっきまでなにを考えていたのかと そ
 う考えるのも億劫な 考えにならない考えがぼんやり漂う

  なにか予感がした瞬間 また電話のベルが1回だけ鳴った




             》 しびる 《
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(のりこ)>アウター系ですね これはたしか暦さんのレーベルでT
      TZ化してもらった作品ですね しかしなぜこれを?
(しびる)>たまたまだろ この次の作品とサンプルってことで作業
      してもらった覚えがあるけど
(のりこ)>そもそもTTZってフォーマットはいまも有効なのやら
      疑問ですけど ネットのどこに置いてましたかねえ
(しびる)>有効だろ たしかウチの事務所の総本部じゃなかったか
(のりこ)>あそこも長く放置してますし たまに掃除しにいかなき
      ゃいけないですかね
(しびる)>メンテナンスフリーだけどな
編集会議 143
(しびる)>ういーっす てかさ 放置してたけど生きてるか?
(のりこ)>あ おはようございます じゃなくてあけましておめで
      とうございます って私はミドリガメですか!!(怒)
(しびる)>いやあ 忙しいって言うとやたらふつうの感じに聞こえ
      ちゃうんで なんか別の表現方法はないかねえ
(のりこ)>たまにメールもらってましたからいいものの マジで暦
      さんちに居候しなきゃいけなくなるのかと思いましたよ
      ちょっと事務所に顔をだすくらいの時間は取れませんか
(しびる)>んーまー そりゃ可能なんだけど その分を睡眠時間に
      割り振りたいってのと もうそっちはいいやって決めち
      ゃうと迷いなく暮らせるじゃん? てのが大きいかな
(のりこ)>『もういいや』扱いですか なんだかなあ
(しびる)>でもさ 12月なんて1日も休みないし ひどいときは
      24時30分に仕事が終了して次の仕事が27時30分
      からって その間に自宅帰って晩飯食って風呂入って睡
      眠をとるんだぜ? カゼはひくし ぼろぼろじゃん
(のりこ)>スタッフを増員したってお話じゃなかったんですか 人
      件費をケチってるとそのうち死んじゃいますよ マジで
(しびる)>増やしたよ でもよく考えたら自分の仕事を替われるバ
      イトやパートなんていないのな だから同じじゃん
(のりこ)>きちんと社員さんを育てていかなきゃいけないんじゃな
      いですか いつまでもムリできないですよ
(しびる)>あーうるせー なんでこんなところで仕事の話をしなき
      ゃいかんのだ 続けるなら帰るぞ ったくよう
(のりこ)>なんで怒るんだか それで? しびさんはいつからお仕
      事なんですか? まさかきょうはお休みでしょうし
(しびる)>あしたは朝から書類仕事を片して 3日から通常業務な
(のりこ)>んじゃ今夜はねっちり活動できるんですね よーし
(しびる)>せっかくの休みなんだから休ませろよ
(のりこ)>そうはいきません故 いったんCMです
すきま まんがだいすき 47
(しびる)>ういーっす すっかり冬だよな 初雪なんか降ってるし
(のりこ)>あ おはようございます ありゃ? アニメ枠じゃない
      んですね てかもう雪が降りましたか しびさんはどこ
      に住んでらっしゃるんだか(笑)
(しびる)>11月中旬に雪が降るようなところだよ さてアニメも
      どうにかしなきゃならんのだが それよりこれな
(のりこ)>『もやしもん 1-5』石川雅之さんですね いきなし
      転送されてきましたけどイッキ読みしましたよ
(しびる)>アニメの方は原作の焼き直しってよりは再構成って感じ
      だな なにをどう落とすのか不明だけど
(のりこ)>蛍くんが いや蛍ちゃんと呼ぶ方が正解でしょうか 大
      化けしましたね アニメ見てるだけでは想像もできませ
      んでしたが あー でもこれってネタバレですかね?
(しびる)>ここじゃネタバレ誤報の責は負わないんだよ 樹教授と
      話してたのはこのことだったのな 杜氏の仕込みに帰郷
      するか 武者修行するくらいのネタ振りだと思ってたが
(のりこ)>でも沖縄篇の彼女 あの娘がネタ振りだったんですね
(しびる)>そうかなるほど でもさ 沢木との再開のシーンは読み
      返さなきゃよくわかんなかった この作者は情動をわざ
      と抑えてるのか それともそゆのを描くのがヘタなのか
      いまだによくわからんのだな 基本はうまいけど
(のりこ)>セリフと作画をわずかにずらして ここぞってところで
      すっきりシンクロさせる その繰り返しですね
(しびる)>暦さんにしび作品的だなとか言われたけど 自分のこと
      はよくわかんねーな 1巻の重版が16版だってさ
(のりこ)>すごい売れてますね ホントならこんな長尺ネームばっ
      かしのマンガ やたら取っ付きにくそうですけど
(しびる)>のりこみたいにアカデミックなネタを喜んでるんじゃな
      くて その部分は捨てネーム扱いじゃん 実際のとこバ
      ランスだろうなあ 基本設定はしっかりしてるし
(のりこ)>石川さんの作品はウチでは初紹介ですけど この絵柄で
      シリアスだとちょっと重いかな やっぱオリゼーくんた
      ちで抜いてるのが効果大ですよ 菌で成功ですね
(しびる)>ただの農大マンガでもかまわない気はするけどな 主人
      公が超人ってのは大原則か その実験も4巻くらいでや
      ってるし そのへんも含めて やっぱうまいよな
(のりこ)>あー 沢木くんの能力がなくなっちゃうネタですね も
      うちょっと位相をずらせて 菌くんたちが具現化してる
      世界観もありじゃないかとか マスコット的に
(しびる)>魔法少女展開か それはダメだろ(苦笑) 沢木の能力
      もぎりぎりじゃん 個人の妄想だからセーフなのな
(のりこ)>あと 学内イベント系のネタはおもしろいですね あん
      ましリアルじゃないですけど よく考えてあります
(しびる)>作業系はリアルネタだろうな でももうあんなバカ騒ぎ
      する大学生も少ないかね 古き良き時代だわな
(のりこ)>しびさんはあんなふうにバカ騒ぎでしたか
(しびる)>いや 散らかった部屋とかバイトに明け暮れるとか飲ん
      で大騒ぎはあんな感じだけど 学校ぐるみの大騒ぎって
      のはどの時代でも夢物語だわな 学部学科を問わず
(のりこ)>そんなものですかね あと こうなればやっぱし密造酒
      のひとつも作りたくなってきますよね? どうです?
(しびる)>おいおい(苦笑) 実際にはそんなにうまくいかないぞ
      やっぱし雑菌(この際この呼び名もどうだ?)の管理っ
      てタイヘンだし どのみち買って飲むのが早くて安い
(のりこ)>そんなものですかね まあ社会的な分業ってのが文明世
      界の基本ですしね 家を作る人やご飯を作る人 なんで
      もDIYが偉くて尊いってこともないですか
(しびる)>そのとおり 個人のチカラはたかがしれてる 人類は総
      力戦でこの星の支配者になりえたのな
(のりこ)>なるほど あと バーテンくん いいですよねえ 脇の
      甘いところもまたいい 亜矢ちゃんもいいけど
(しびる)>傍系のネタなのにしっかり組んでるよな 初期設定には
      なかったのかもしんないけど そうとは思えないな
(のりこ)>そういやかなりあとになってからの登場ですしね やっ
      ぱ美女追加で梃入れなんでしょうか
(しびる)>さあな そこんとこはしらねーけど そういや1巻の表
      紙の帯はソイインク使用の古紙100パーか 本編の印
      刷もソイインクかね 135キロの紙は分厚いな
(のりこ)>そこいらへんはまったくわからないですけど
(しびる)>ウチでばらまくチラシで90キロな ようは単位枚数あ
      たりの重量が分厚さってとこか 業界用語だな
(のりこ)>ふーん 業界用語ってば全編がそればっかしって感じで
      すよね この石川さんって農学専攻だったのかなあ
(しびる)>さてねえ 調べて勉強すればこのくらいどうってことも
      ないような気もするけど やっぱ実学かな
(のりこ)>巻末の予告編がいいですよね 意味ないですし ちょっ
      とだけ脇ネタにリンクしてたり あと 菌カード欲しい
      ですよ 自分なりのへりくつで戦え! 最高です(笑)
(しびる)>そもそもさ カードバトルってルールに詳しくないんだ
      けど あれっててきとうに勝ったの負けたのってやって
      るだけじゃないのか? ホントにルールあるのか?
(のりこ)>さあ? 優劣のレベルが記載されてて それで勝敗が決
      まるんじゃないんですか あと能力が複合するとか
(しびる)>まあそんなのなんだろうけど 小学校低学年のこどもが
      理解して遊べる類のものなのかね 不思議だなあ
(のりこ)>できるんじゃないですか あれだけ喜んで収集してるわ
      けですし キレイだからって理由だけじゃないでしょ
(しびる)>まあいいや とにかく原作読んじゃったから あとはア
      ニメはその対比として評価するしかねーわな
(のりこ)>見てから読むか 読んでから見るか それは太古角川時
      代からの永遠のテーマですし 仕方ないですね
(しびる)>あんましただの焼き直しじゃおもしろくないしな 最近
      じゃOPとEDが仕事中の脳内ヘビーローテーションに
      なっちゃって それだけでも見る意味はあるんだけど
(のりこ)>ぎもんぎーもんぎもんぎもん ですね(笑)
(しびる)>んじゃまそろそろ100行だからこんなところで
(のりこ)>そういややっぱしお忙しいですか?
(しびる)>忙しいな んじゃ終了解散!
(のりこ)>ういっす お疲れさまっす
すきま かんじだいすき 14
(しびる)>ういーっす 漢字枠やるぞい
(のりこ)>あ おはようございます てかおめでとうございます!
      ひゅうどんどんぱふぱふー ようやく念願の準初段昇格
      っす これで晴れて有段者 特技欄に『書道準初段』と
      書いたってダレも笑いませんですってば!

shoukyuu.gif

(しびる)>どう書いたところでダレも笑わないけどな
(のりこ)>いやでも『書道1級』って なんか軽い感じがするじゃ
      ないですか やっぱ段ですよ段 有段者ですよ
(しびる)>わからんでもないが まあ1年と7ヶ月 ようやく一段
      落ってところかな 予定より半年以上遅れたけど
(のりこ)>求道の難しさ 予定よりたいへんなくらいでちょうどい
      いんですよ それにしても我々はがんばりました
(しびる)>最初の1年は毎週通ったしな 今期だって月2以上は通
      ってるし このバカみたいに忙しい中の努力は評価され
      てもいいよな 小型船舶1級試験から引き続き 実録シ
      リーズは時間と金が掛かってタイヘンだ まったく
(のりこ)>でも確実に結果が残るじゃないですか 芸は身を助くで
      すよ 絶対なにかの役に立ちます
(しびる)>まあな 否定的なことを好んで言ってるわけじゃねーけ
      ど なんでもリスクとメリットのバランスだしな
(のりこ)>それもそうですけどね んじゃま 今回の講評をやっち
      ゃいましょうか 10月の課題は『天下泰平』です
(しびる)>画数も少なく平易な文字ばかりだな ここが狙い目だっ
      たという解釈もできる ランクは不可塑だし
(のりこ)>相性良かったですかね 今回はとにかく横棒が多いです
      横画はつまり終筆でしょ あとは角度 これキモです
(しびる)>『天』は4画の払いがポイントかな これはちょっと気
      に入らないんだけど まま及第点か 丸2個だし
(のりこ)>『下』は1画めのRと終筆のカタチ 3画の押さえなお
      しがポイントですか 2画をカラダで引くとか
(しびる)>『泰』は6画以降の収まりが悪くってよう このスタイ
      ルにするのにかなり練習したもんな どうも細い線や細
      かい文字はニガテだな 4角と5角はバランスがいい
(のりこ)>逆に『平』の1画は修正が入りましたね つまり終筆な
      んですよ 押さえなおし方定着でいいんですかね
(しびる)>それと筆先修正との併用が有効だろうな こうぐっと持
      ってきて45度に押さえて整形 さらに筆先で右上のこ
      ぶを軽く作ってできあがり 簡単じゃねーけど
(のりこ)>簡単じゃないですよね でもまあ結果オーライですよ
(しびる)>そういうと終わりなんだけど さて これで当初の目標
      は達成したわけだし 次の展開を考えなきゃいかんな
(のりこ)>あら もう習字は辞めちゃうんですか?
(しびる)>それも選択肢に入ってるけど まあこれはこの先だらだ
      ら続けてもいいかなと考えてる できればこれ以降は師
      匠の元へ通うんじゃなく 自宅学習のカタチをとりたい
(のりこ)>来年度からって感じですか
(しびる)>それが現実的だろうな そうなるまでに正初段に昇格し
      ておきたいけど まま時期が来たらば考える
(のりこ)>なるほど んじゃそれ以外の選択肢ってなんです?
(しびる)>いやさ こうして文化系のスキルを伸ばすとさ 今度は
      違うことをやりたくなるじゃん でさ 次は武道がくる
      んじゃないかと考えるわけよ 体育会系な
(のりこ)>ほう ほうほう そうきましたか なんかそういうマン
      ガばかり読まれてるなあとは思ってましたが まさか自
      分でやろうと言いだすとは(笑)
(しびる)>前から考えてたんだ 来るべき混迷の時代に護身の術く
      らい身につけておくべきだろうって 遅いくらいだ
(のりこ)>んー まあ体を鍛えるのはいいことですし 進めるに吝
      かじゃないですけど 実際なにをやるかですね
(しびる)>それはこれからの会議で詰めていこう
(のりこ)>んじゃまそういう方向もありかも?ってくらいで とに
      かく今回分を締めておきますね さて画像は10月の課
      題『天下泰平』です ちなみに昇格して準初段です


kanji014.jpg

すきま あにめだいすき 72
(しびる)>ういーっす さすがにもう寒いよなあ 冬だなあ
(のりこ)>あ おはようございます なんだか肌寒い雨ですもんね
      『彼岸過ぎ ひと雨ごとに冬の風』(詠み人知らず)
(しびる)>さすがにアニメばかりやるのもどうかと思うが どんど
      ん片してゆかんと逼迫してるからな まずなんだ?
(のりこ)>えーっと 前回が神霊狩で終わりましたから 今回から
      はぴー子ちゃんで録画してる重複シリーズに突入ですね
(しびる)>シリーズって 時間が重なってるだけだろうに
(のりこ)>まあそうなんですけど まず『灼眼のシャナ2』 やた
      ら気合いの入ったOPですね 完全に続編かな?
(しびる)>でも歌はちょっとしょぼいな(笑) 前作の後半ってあ
      んまし真剣に見てなかったし どうもディテールが甘い
      んだけど そこんとこ配慮して作ってあるかねえ
(のりこ)>それはとうぜん初見の視聴者対策もあるでしょう って
      そゆの無視していきなり始まってますね どんどん
(しびる)>やっぱ前作を見返してからじゃなきゃダメかね
(のりこ)>その線が濃厚ですね あえてここから始めるって方法も
      ありだと思うんですが 展開もどうやらメタ位相系のよ
      うですし これが初見対策かと思うとめんどうですけど
(しびる)>んじゃまここから付き合うか なら継続指定で
(のりこ)>ういっす でもしびさん こういうの好きでしょ?
(しびる)>みんないろいろ考えるよなあ あーでもなんかめんどう
      だなあ 釘宮のツンデレだけ見てればいいか
(のりこ)>それでいいんじゃないですか じゃ次は『もやしもん』
(しびる)>なに系だろ? このOPはおもしろいな
(のりこ)>気持ちのいい合成CGですね 美大・音大ときて次は農
      大ですか 実写ドラマの方ではありましたけど
(しびる)>関係ないけどウチの会社の脇の道路が乗馬コースになっ
      ててな たまに実弾が道路の真ん中にどかんと
(のりこ)>実弾ですか(笑) ところでこのアザラシを使った発酵
      食品については偶然知ってました 驚きました
(しびる)>べつにふつうの知識だろ でも期待できそうな展開だな
(のりこ)>アカデミックなのはいいですよね SFですらない似非
      SFをファンタジーを隠れ蓑にオッパイ展開するのはバ
      カバカしくって こういうの大好きですよ
(しびる)>うわー 続きが見てー こんなアニメひさしぶりだな
(のりこ)>このEDもいいですね 菌劇場もいいですね かもすの
      かあ 人間キャラはひじょうにぞんざいな作りですけど
      菌くん達の浮遊感はひじょうにいい感じですね
(しびる)>とにかく2本目見よう いいなこれ
(のりこ)>イブニング連載なんですね あの雑誌はチェックしてな
      いですし あー 火落ち菌についても偶然知ってました
(しびる)>こんなの基礎知識だな もっと深いとこやって欲しいな
(のりこ)>しびさんってお知り合いに造り酒屋さんがいるんでした
      っけ? モデラートの解説のときに仰ってたとー
(しびる)>そんなのしらねーな とかってもう1本終了か おもし
      ろいと早いよな あの助手 大原さやかか
(のりこ)>長谷川さんですね オフトーンで話すとしっとりと良い
      声ですよね さてちょっとキナ臭い展開ですが
(しびる)>まだ2本しか溜まってないんだよな んじゃ継続確定で
(のりこ)>2本目はハイフンくんですから移動して統合しておきま
      す んじゃ次は『しおんの王』 おなじみの原作ですね
(しびる)>原作はそこそこ評価高いしな フリップトークがどこま
      でアニメで活かされるのか そこに注目だな
(のりこ)>なんか苛々したOPですね あれですよ なにかに悪い
      影響を受けたんじゃないかと思うのですが(笑)
(しびる)>制作はディーンか なんかこういう絵だよな 猟奇をや
      らせたら得意な分野だわな でも馴染まないなあ
(のりこ)>微妙に狂ってますよね てか 初回でこれじゃかなり危
      ないでしょ それともそもそも低空飛行でしょうか?
(しびる)>そんな狙い目あるかい こんな作画レベルで内容がただ
      の焼き直しじゃ見る意味ないか 即切り決定かな
(のりこ)>まだ開始10分なのに んじゃ切りましょうか
(しびる)>時間がもったいねえ 即切り全消去でいいや
(のりこ)>ういっす あと『逆境無頼カイジ』もありますが?
(しびる)>あれはいいや(笑) チェックするまでもなく即切りで
(のりこ)>まあそうでしょうけど あと取りこぼし連発でチェック
      どころじゃない『ギャグマンガ日和』とか
(しびる)>水どうの前にやってるやつな まあぼんやりでいいかな
(のりこ)>でしょうね でもけっこうネタのレベル高し(笑)
(しびる)>んじゃきょうはこんなとこで 次回は後手後手の終了点
      検と恒例になってる新作第2弾ってことで
(のりこ)>了解っす まだまだ新作は続くのかあ(ほわあああ)
連作31 緩連作09 たいして変わらない
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 種別 連作系第31期 緩連作09
 題名 『 たいして変わらない 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年11月13日00時03分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】09 たいして変わらない

 ST V.4.6 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #09(B群)




         『 たいして変わらない 』


                        作:しびる





  エビイモは米の砥汁で煮て水洗いし ぬめりを取ってから味付け
 をする コイモは冷水からひと煮立ちさせて あれ やっぱり水洗
 いしてぬめりを取る 逆だったかもしれない どうだっけ とにか
 く同じような味を付けてできあがり イカタコと煮込めば柔らかく
 なるのはカブラか大根か どちらにしても美味しくできあがる
  パスタを湯がくのに塩を入れるけれど そうめんを湯がくのに塩
 は入れるのか入れないのか ビックリ水はどちらにも必要か いや
 確かパスタには必要ない あれれ どっちだったかな ほんの少し
 だけ悩んで どっちでもたいして変わらない そんなもの

 『このごろね なんかよく夢を見るの まるで現実みたいな』
  ほかほかのご飯にオカズは肉ジャガ 塩辛のビンにスプーンを突
 っ込んで ツナサラダには木製の巨大なフォーク テレビは野球
 『ふうん うつ伏せ寝してるだろ だからじゃないか 醤油くれ』
 『はい でね 受験勉強しないでゴロゴロしててね 怒られるの』
  向かい合って夕食 旦那は野菜に醤油を掛ける あたしはご飯に
 塩辛を乗せる この季節のテレビはいつも野球 旦那の趣味
 『誰に おおっ なんだファールか 誰に怒られるんだ』
 『お母さん お父さんは放任主義だったし どうして今ごろかな』
  他愛のない話題 あたしは小さなピンク色のご飯茶碗 旦那のグ
 ラスにビールを注いで あたしもちょっとお裾分け 苦いからたく
 さんは飲まないけれど 夫婦で晩酌もそれなりに なんてね
 『さあな 俺も試験の夢は見ることがあるぞ 朝学校に行くまで忘
 れてるのな やべえ勉強してないのになーって 焦ることがある』
 『それ本当のことでしょ あたしのはちょっと違うもん』
  画面ではなにかトラブルが起こったらしい みんながグラウンド
 に集まって 中には凄い怒った人もいる 大の大人がたかが野球で
 怒鳴りあうなんて まあ仕事だけど 感情的になっちゃいけない
 『同じだよ 今のはセーフだよなあ 頭の中で整理されたんだろ』
 『整理ってなに ああ夢の話 どうかなあ どうでもいいのに』
  肉ジャガのタマネギを箸で挟み そのまま旦那の顔の前へ わざ
 と眉をしかめて疑問を表現する どうかしらと尋かなくてもいい
 『別に普通だけど かずみなあ 見るからに古い野菜は使うなよ』
 『そうじゃなくて タマネギって炒めるの 肉とかと』
  調理方法を旦那に教えてもらうつもりはないけれど 食べた感じ
 が不自然なら間違っているわけで 煮込んであるものの 放り込ん
 でからどうだったかなーと考え込んだ結果 次回への勉強として
 『知らないぞそんなこと 頼むからなあ しっかりしてくれ』
  それについては返事しない できる限りのことで努力してるけど
 あたしの生活信条として 続かないことはしちゃいけないのだ う
 ろ覚えでも毎日料理は作る これが何年でも続けられるペースだ
 『それでね 夢の話の続き たまにね あたしとお母さんが入れ替
 わるのよ あたしがあたしを叱ってたりするの なんか変でしょ』
 『あんな低いストライクがあるかっ そんなもんだろ 夢って』
  旦那の応援するチームは試合のない日で 今観てるのはまったく
 関係ないチーム それでもこの力のいれよう でも本人はキャッチ
 ボールすらしない怠け者 少しズレたスポーツファン
 『ホームシックかなあ きょうも電話で話したけど 懐かしくもな
 いし ウチの方が寛ぐもん 弟の奥さんもいるわけだしねえ』
 『なんだそりゃ ゆきこちゃんって呼ばないのな 嫌いなのか』
  あたしとゆきこさんは大の仲良しだ 旦那だってそれを知ってて
 からかっている バカな弟にはもったいない女性で たまに料理の
 レシピをくれたりする 見ないけど バカ弟が姉は料理が下手だか
 らなんてことを吹き込んでいる まあ義妹の気持ちは純粋だろう
 『お昼にうとうとしてる短い時間にも見るの 夢見がちな年頃ね』
 『かずみ 自分だけ歳をとらないって法はないだろ もういいや』
  どこに見切りをつけたのか 旦那はテレビのチャンネルを替えて
 しまう 切り替わったのは2時間サスペンス 本当はあたしが見た
 かった番組だけど もう始まって15分 見ない方がましだ
 『姫野が会社辞めるってさ 饅頭屋を継ぐらしい 思い切ったな』
 『ふうん 別にリストラってことじゃないんでしょ むうん』
  姫野さんは旦那と同期入社の人 前にウチに遊びに来たことがあ
 る 彼の話題と言えば実家の饅頭屋のこと なにかそのテの話題の
 モデルとしてよく登場する人 そうか思い切っちゃったのか
 『そんなに大っきいとこなのかな じゃないと奥さん大変よね や
 っぱり働かなくちゃいけないもんね 女将さんかあ むうん』
 『かずみは心配しなくてもいいだろ お前んとこはけんじ君が継い
 でるし 味付け海苔くれ ウチは家業はないし ビール』
  家事が楽しいわけじゃない でももう仕事生活に戻るのは面倒だ
 人間関係に気を遣ったり 責任を持ったり 愛想良くするのも今更
 億劫だし 自分のペースで適当にやる 今の暮らしがいい
 『あたしは仕事に向いてない ひろ君の奥さんで充分 泡だらけ』
  ビールはほとんどが泡 縮むのを待ってさらに注ぎ足す 最後の
 泡をあたしのグラスに注いでビンを片す 旦那は一気に飲み干す
 『そのうちまた飽きるだろ かずみは 好きにすればいい』
 『そんなことないって 凄い楽だし 太らないようにしなきゃね』
  主婦だから家事をするけれど 主婦だから家事だけしてれば文句
 は言われない いやむしろ立派な奥さんだって褒められたりもする
 凄い楽は半分だけホント 子供ができるまでのゴロゴロかもね
 『親父さんがあの体型だからな そーかー かずみは太るのか』
 『だから 太んないように気を付けなきゃって わかんないけど』
  最後の言葉はもごもご曖昧に 特にこの最近は自信がない 旦那
 は聞いてない振りでテレビを眺めている ゆっくり口元が緩む
 『まあ 神さんは年寄りだからな つぶやいた方が本当になるぞ』

  手順はどうあれ頑張って作ったものだもの 残して捨てるのはも
 ったいない 鍋の肉ジャガをさらえて分ける でもどうせ旦那はこ
 れ以上食べないから 結局あたしが片すことになる 誰の責任だ
  楽な方に流されちゃいけないと そう思いながら毎日のなんだか
 んだが終わってしまう 無理して自分を追い込もうが 別に適当に
 暮らそうが どっちでもたいして変わらない そんなもの










             》 しびる 《
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(のりこ)>ひさしぶりに夫婦ものですね こゆのがしびさんの真骨
      頂 のびのび描いてらっしゃるのが伝わります
(しびる)>なんで上から目線なんだよ 失礼な部下だなお前は
(のりこ)>褒めても叱られるしー あと順番に細かいとこ拾ってい
      ってもいいんですけど 1個だけ 本文ラストの『神さ
      んは年寄りだから云々』は どゆことです?
(しびる)>え? 肝心なオチなのに伝わってないか? やばいなあ
(のりこ)>なにかお願いとかお祈り関係の話題ってでましたっけ
(しびる)>いや その直上で妻が自分の肥満について否定したあと
      小声で本心を呟くだろ そゆときって 年寄りは高音で
      叫ぶより低温で呟く方がよく聞き取れる から引っぱっ
      て『年寄りの神さまには呟いた方がよく聞こえる』なん
      てこと言わないか? 日常生活でさ
(のりこ)>言いませんねえ しびさんとは小学校の教科書が違いま
      すし 私はそゆこと習った覚えはないですね
(しびる)>あちゃー 痛恨のミスだな
連作31 緩連作08 はなさないことば
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 種別 連作系第31期 緩連作08
 題名 『 はなさないことば 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年10月31日01時35分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】08 はなさないことば

 ST V.4.6 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #08(A群)




         『 はなさないことば 』


                        作:しびる





  お父さんの仕事は都市銀行の管理職で 働いていた支店が無人店
 舗になって異動 景気はいいのに人減らしは止まらないって いつ
 かお父さんがこぼしてた 今回は本店に降格異動で済んだけれども
 次はどうなるかわからない だからお前も だから なのだ
  4月は人事異動の季節 そして新しい学年が始まる季節 あたし
 は4月に中学生になる だからが理由で引っ越すことになった み
 んなと一緒の中学だと思ってたのに 仕方ないけれど 仕方ない

 『なに話って きのう借りた本ならまだ読んでないからさ』
 『まだ読んでないの 凄い感激するからすぐ読みなさいって言った
 でしょ あたしの言ったことなんて あー そうじゃなくて』
  いつもどおりの会話 澄ました顔で話す彼に あたしはいつもお
 姉さん口調になる 本当はなにをやっても彼が上なのに あたしが
 偉そうにすればうまくいく 優しいのかな やっぱり
 『そうじゃなくて 大事な話があるの でも またあしたにする』
 『えみりがそう決めたなら それでいいけど しつこく聞こうか』
  えみりだって クラスでは牧瀬って呼ぶのに ふたりっきりだと
 えみりになる あたしだってクラスでは大原君って呼ぶ この切り
 替えも慣れてしまって もうあまり間違えることはない
 『むう どうしてそんなふうにしか喋れないの 勝手にしつこく聞
 けばいいのに 気持ち悪いから話せよーとか なんだそれーとか』
 『いつになくワガママだなあ なんか怒ってるわけ いいけど』
  あたしはワガママなのだ 自分勝手だし 凄い偉そうだし いつ
 もブリブリ怒ってばかりで 女の子らしいことなんてなにもできな
 いし でも仕方ない 治らないものは仕方ないのだ 頬が膨らむ
 『怒ってるなら謝るけど そういうのは 俺以外の人の前では辞め
 た方がいいと思う 女の子は 知的じゃなくちゃいけない』
 『せいや君の理想の女の子みたいにはなれないもん もういいっ』
  放課後の校庭のはしっこ 遠くできゃーきゃー叫び声が聞こえる
 この最近はボール当て鬼ごっこが流行っていて 低学年も高学年も
 関係なしにグランド中が大騒ぎ 確かに楽しいけど でもね
 『理想じゃないよ なんてのかな 賢く生きる方法だよ みんなと
 うまくやってくにはさ えみりみたいに なに どうしたの』
  太い眉に大きな瞳 この頃どんどん背が高くなる彼 あたしに優
 しく話しながら その顔を見つめながら 胸がきゅっと締めつけら
 れるような気がした たまらなくなって視線を外す
 『うんとね あたしってば賢くなんて生きられないし 凄い不器用
 にしかできないし せいや君ってね そんなのは嫌いでしょ』
  話しながら恥ずかしくなる 耳が熱くなる もう少し遠回りに話
 そうと思っていたのに 言葉にしてみれば凄いストレート これじ
 ゃ全部言ってしまったようなもの 下唇を噛んで眼をきょろきょろ
 『うん えみりのこと 嫌いじゃないよ 楽しいしね』
  嫌いじゃない 微妙な表現だと思う なにか用事があるのか知ら
 ないけれど 話を切り詰めようって感じがなんとなくわかる せい
 や君は人の嫌がることは絶対しない人だけど それでも隠せないこ
 とはある あたしは もうかなりせいや君のことに詳しい
 『嫌いじゃないのかー まあいっか きょうはそれだけでいい』
 『話ってのはこれだけ もっとしつこく聞こうか 隠してるだろ』
  他の男子は ほとんどみんながただの子供で 女の子の気持ちど
 ころか 普通に話すこともできない連中 イタズラしたり騒いだり
 せいや君はどうしてこんなに落ち着いてるんだろう クラスにいる
 ときにはみんなと同じようなのに あたしとふたりだけのときには
 いつも優しく話してくれる やっぱり優しいなと 思ったら
 『別に きょうはほら 朝からあんまし話して ぐすん ひーん』
 『んあっ なに どうして急に泣くんだ おいおい』
  いきなりスイッチが入って 自分でも突然のことで止められない
 鼻の頭にむず痒いような気持ちが一気に集まって 涙が流れて顔が
 ゆがむ どんどん勢いがついて止まらない 泣きたくないのに
 『だっ だって れいやくんとはっ もうっ もう逢えなくっ』
  しゃくり上げて話せない いちばん大切なことをこんなふうに台
 無しにしてしまうなんて もっとあっさり もっとカッコつけて話
 したかったのに ぜんぜん平気だって 強がりたかったのに
 『おとっ お父さんの仕事で ひっ引っ越すから もうっなのっ』
 『引っ越しって なにそれ えみり 泣いてちゃわからないだろ』
  しゃがみ込んで膝を抱える 太股で胸を押さえないと 止まらな
 いしゃっくりが普通に話せない 泣いてるから顔が見せられない
 『もういいのっ もうあらしなんか うっく いいっもんっ』
 『そんな大事な話 えみりが引っ越すなんて いいから 泣くな』
  彼の手があたしの頭の上に 泣いてるのに 髪を触られたのは初
 めてだなんて それはそれで別にドキドキしたり ゆっくり撫でら
 れながら顔を上げる 下唇を噛んで泣くのを我慢する ぎゅっと
 『引っ越すってのは本当か 本当なんだな まいったなあ』
  髪をくしゃくしゃと乱されて 尋かれたことには頷くだけ 迷子
 の子供みたいに扱われて ちょっと上目使いで唇をまげる
 『だって仕方ないんだもん 同じ中学には行けない 寂しいけど』
 『そうか なんかショックだな 引っ越すのか』
  しゃがんだままでお互い地面を眺める 赤くなりはじめた影が長
 く延びて あたしの膝にせいや君の頭の影 向かい合ってるのも気
 まずくて そのままの姿勢でカニ歩き 横に並ぶ ひっついて
 『でも卒業式までは一緒だよ 電話するよ 手紙も書くし 毎日』
  黙って考えているせいや君になにか言いたくて 肩にほほを擦り
 寄せながら小さくつぶやく せいや君の臭い 地面にアリの行列
 『まあ 仕方ないか どうしても仕方ないことって あるな』

  せいや君は言うなり立ち上がる 唇をへの字にまげて 腕を組ん
 で遠くを睨んでいる あたしはスカートを抱き込んでしゃがんだま
 ま せいや君の足元でアリを眺めていた どこまでも続いている
  それからずっとふたりとも喋らなくて 途中まで一緒の帰り路も
 黙ったまま 気持ち悪いくらいの夕焼けの中 手を振っただけでせ
 いや君と別れた なにもかも真っ赤の夕焼け 凄い赤色だった











             》 しびる 《
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(のりこ)>もでらーとですね 今回の1人称は牧瀬えみりちゃんで
      すが これが彼女のラスト出演ってことですかね
(しびる)>んー どこかで再開ってネタも考えなくはないけど や
      るだけヤボかもな 子供の恋は所詮子供の恋だろうし
(のりこ)>それはそうなんでしょうけどね でもせいやくんはこの
      あとどんどん男前っプリを上げていきますし そのへん
      のバランスのためにも大切にして欲しかったかな
(しびる)>せいやはこのシリーズのカリスマ属性の結晶として育て
      てるし あやみは思考カオスを経て知性の女王にするつ
      もり そのための緒戦はそれほど拾う意味もないな
(のりこ)>うわバッサリ(笑) えみりちゃんってばこんなにかわ
      いいのに 緒戦扱いされちゃって
(しびる)>どこかでそれなりに暮らしてるだろうさ 子供の記憶な
      んざ ま おとなになってからの時間の方が長いからな
(のりこ)>でしょうけどね
すきま あにめだいすき 71
(しびる)>ういーっす てかさ あしたも早いんだわ
(のりこ)>あ おはようございます いやでもべつに強制召喚した
      わけじゃないですし ムリなら無視してもらっても?
(しびる)>この改変期にそうもいくかい まずなんだ
(のりこ)>えーっと 1個飛ばしてました『レンタルマギカ』っす
(しびる)>魔狩りものか 初回でドカンとかます演出意図だろうけ
      ど なんかしょぼいな パンツ見えない系だし
(のりこ)>眼帯少年というのはどうでしょ? こういう需要ってあ
      るんでしょうかね きちんと見ればおもしろいのかな
(しびる)>どうだかなあ まあ最低でもウチの需要は満たしそうに
      ないし あー 眼帯の下は邪眼か ふわああ
(のりこ)>退屈ですか んじゃ終了で 次は『クラナド』です
(しびる)>この触角の生えた娘っ子ってキャラはどうなのかね 学
      園恋愛ものかな ならギャルゲー原作か
(のりこ)>こんなのばっかしですね今期は ったくみんなスカート
      の短いこと でもパンツは見えてませんよほら(笑)
(しびる)>下品なことを言うない あオッパイ娘だ +1点だな
(のりこ)>ちまちまと好きだなんだってのを繰り返すんですかねえ
      最後に生体解剖ってことにはならないでしょうけど
(しびる)>さらに下品なことを言うかお前は 妙に透過光が多いな
      丁寧には作ってるんだろうけど さてなあ
(のりこ)>B+って判定でしょ この感じならAーまではいかない
      し 継続審議にしておけばいいじゃないですか
(しびる)>そゆのばかし増やしてもな 篠原のりこエターナルくん
(のりこ)>あ 家庭が荒れてる主人好男子ってのはめずらしいかも
(しびる)>母親が井上喜久子じゃなく大原さやかならAー判定なの
      になあ しかしこのEDは微妙(笑) どっちだ?
(のりこ)>どっちのどっちですか(笑) んじゃまとにかく継続審
      議にしておきますね 次は『神霊狩』 IGですね
(しびる)>このキャラは嫌いじゃない が まあチェックせねばな
      らんだろうし とにかく継続審議かな んー
(のりこ)>が の使い方がヘンですけど あんましお気に入りじゃ
      なきゃムリしなくてもいいでしょうに?
(しびる)>よくわかんないし 基礎知識まったく仕入れずに見始め
      るとこんなもんだろうし 魔物もそれほど悪くないし
(のりこ)>この空気はなんでしょう どうしても地獄少女ですけど
(しびる)>まあそうだけどな なんか鼻につくものが
(のりこ)>しびさんの守備範囲でしょ ま とにかく継続審議で
(しびる)>ふむ んじゃきょうは終了 あと4時間で仕事だし
(のりこ)>あいかわらずむちゃな暮らしをされてますね
(しびる)>仕方ないじゃん 仕事だもん
(のりこ)>とにかく死なないようにがんばってください
すきま にめだいすき 70
(しびる)>ういーっす 生きてるかー
(のりこ)>あ おはようございます てかしびさんこそどうなんで
      すか? 1ヶ月以上連絡がなきゃこれを読め書類のまわ
      りをぐるぐるまわる日々でしたよ まったくもうもう
(しびる)>なんだそりゃ あの書類はべつにたいしたことは書いて
      ねーし とにかくうちの版権は暦さんとこにぜんぶ預け
      てあるからな あとはお前の処遇くらいだ
(のりこ)>そこキモです 私はどうなるんです?
(しびる)>てかさ お前はどうしたいんだよ?
(のりこ)>しびさんの分も長く元気に生き続けたいと考えてますけ
      ど? それって物理的に可能なんですか?
(しびる)>さあ? この世界は『篠原しびるの大冒険』って物語じ
      ゃん 主人公が消えりゃ世界も自動的に消滅するだろ?
(のりこ)>なら私の処遇ってのはどういう理屈です? 世界が消滅
      すれば私も事務所も地球も宇宙も関係ないでしょ?
(しびる)>生きてるけど事務所の維持が不可能な状態かな
(のりこ)>そゆことになる可能性があるんですか?
(しびる)>さあ? いまんとこないけど 予定は未定じゃん
(のりこ)>それはまあそうなんでしょうけど なんだかなあ んー
(しびる)>あのさ 忙しいのに時間を割いて来所してるんだわ だ
      らだら世間話するなら帰るぞ ヒマじゃねーのな
(のりこ)>でしょうねえ んじゃ今期の新作アニメを片しましょう
      かなりHDDがヤバイ状態ですし とにかく切らないと
(しびる)>だろうな んじゃまずなんだ
(のりこ)>えーっと 『BLUE DROP』これって先に原作コ
      ミックスの方を読んだのですが 別物ですか?
(しびる)>コミックスの方はオムニバスじゃん アニメ版は新スト
      ーリーって感じじゃないのかな 2話まで見ていまんと
      こユリ要素はでてきてないけど 宇宙人はありかな
(のりこ)>原作は重いようで軽い作品でしたが アニメはその逆っ
      て感じですね いやーなウツ展開の予感が(苦笑)
(しびる)>とにかくしばらくはチェックしよう このキャラ造形は
      キライじゃないし めんどうになったら切るってことで
(のりこ)>了解 BDは継続審議と 次は『DC2』ですね
(しびる)>完全に続編なのかな 主人公朝目覚める系OPか(笑)
(のりこ)>いま思ったんですけど こういう始まり方はゲーム版の
      名残なんでしょうか ギャルゲーって知りませんけど
(しびる)>かもな またこのめんどうなアニメを見なきゃいかんの
      か? 切っちゃってなにか実害でもあるのかね?
(のりこ)>なら視聴中止にしますか 簡単なことですけど
(しびる)>そうするかなあ ダカーポってオッパイアニメでもない
      し パンツ見える系でもないし 実利ないよなあ
(のりこ)>ひどい判断方法ですね(笑) しかしたしかにこんな短
      いスカートで(お父さん激怒っす)見えないですねえ
(しびる)>なら切っちゃえ
(のりこ)>了解っす 1本減りました なら次は『もっけ』です
(しびる)>なんかつまんないアニメだな もっさい絵柄にベタな演
      出 原作のダメなとこだけのばした感じだな
(のりこ)>評価低いですね でもたしかにせめて似た絵を描こうよ
      とか思いますね そゆのは演出論以下の問題ですし
(しびる)>焼き直しじゃ見る意味ないし オリジナルには到底期待
      できないし これは即切り決定でいいや 終了な
(のりこ)>まあ妥当なところですね もっけは終了と いい感じで
      減らしてますねえ なら次は『こどものじかん』
(しびる)>原作知らないなあ こういうロリアニメはどうかねえ
(のりこ)>なんか『絶対可憐チルドレン』を彷彿とさせる設定です
      ね 女の子3人に生真面目先生 ってだけですが
(しびる)>ってだけじゃん あのさ こういうのを見てどうなのか
      なあ あ 同僚の女性教師がオッパイだな +1点か
(のりこ)>オッパイで加点されてるし(笑) うわ小学生女子に指
      舐めさせてますよ 犯罪ですねこれは イカンですよ
(しびる)>こういう感じなんだろうなあ うんざりだよなあ
(のりこ)>いや なんか毛色が変わってきましたね もしかしても
      のすごいウツ展開になるんじゃないですかこれ?
(しびる)>のりこもそう思うか? これがこのまま学園ラブコメで
      拡がるとは思えないよな ってことは要チェックか?
(のりこ)>えー 逆でしょ スクイズみたいなことになったらどう
      するんですか 早めに中止して危険は回避ですよ
(しびる)>それは違うだろ んー まあいいか とにかく継続審議
(のりこ)>伝染っても知りませんからね なら『こども』は継続審
      議と んじゃ次は『ご愁傷さま二ノ宮くん』です
(しびる)>オッパイアニメか いいねえ なんかバカみたいな設定
      だけど こういうキャラを見分けられるスキルは人が生
      きてゆくのにはたして必要なのかねえ 疑問だなあ
(のりこ)>ホントどこかで見たようなキャラばっかし
(しびる)>あー 最近ヘリで乗り付けるキャラが多いような気がす
      るな こういうのを『ヘリ式』と呼ぶことにする あー
      パンツ見える系か 仕方ないねえ(笑)
(のりこ)>なんかくだらないアニメですね もういいですか?
(しびる)>なんでよ とにかく継続審議じゃん こういうのはさ
(のりこ)>あーはいはい んじゃ継続審議フォルダと んじゃ次も
      学園モノ『キミキス』です ウチに原作ありましたっけ
(しびる)>えーっとな たしか最近2巻を転送したぞ
(のりこ)>微妙に目が離れてるんですよねえ このキャラは
(しびる)>なんかさ 心象描写に子供の頃を挿入する手法が多いと
      思わないか こういう作品はほぼ定番だよな ウチでの
      呼称は『ガキ時挿入系』ということにしておくけど
(のりこ)>またそういう言葉を作りますか 原作はこういうお話で
      したっけねえ なんか記憶が薄いですが
(しびる)>やだもうおばさまったらー ってのはやりたがるんだよ
      な オッパイアニメってほどじゃないか んー
(のりこ)>しのぶちゃんですね うる星のBDの ってすぐに理解
      しちゃう私もどうかなとか思いますが どうします?
(しびる)>どうしようかなあ なんか情動が薄いけど とにかく継
      続審議にしておくか この先のエロ展開次第かな
(のりこ)>評価の基本そこですか(笑) んじゃ継続で なかなか
      減らないですね なら次は『ef』です
(しびる)>ハチマキにヒモリボン なんだろこのまったくリアリテ
      ィのない展開は 妙なエフェクトが多用されてるし
(のりこ)>なんでしょうねこの感じは efはエフェクトのエフで
      すかね 基礎知識がないと見ちゃいけないのかな
(しびる)>そんな作品あるのかよ ゲームしてなきゃだめ ラノベ
      読んでなきゃダメ CD買ってラジオ聞いてなきゃ理解
      できないアニメなんざ セルオンリーで商売しろよ
(のりこ)>まあそうですね ってことは見てれば理解できるんです
      よ あら 眼帯少女ですよ なんだかなあ
(しびる)>でさ これっておもしろいのか?
(のりこ)>さあ? 数本見ればなんかわかるんじゃないですかねえ
(しびる)>ならそうするかな なんか心に引っ掛かるものが全くな
      いんだけど いちおう継続審議にしておくか
(のりこ)>ういっす んじゃ次はー
(しびる)>きょうはこれくらいにしておこう もう眠いし
(のりこ)>100行超えてますしね んじゃ続きはあしたで
(しびる)>ふむ
編集会議 142
(しびる)>ういーっす なんか食うものとビールな あー
(のりこ)>あ おはようございます お疲れですか? ビールっす
      ヤキソバならすぐできますけど なんでもいいですよね
(しびる)>なんでもいいや んぐんぐんぐ ぷはー ふわああ な
      んかやたら忙しくてさあ マジヤバイよなあ
(のりこ)>んー でもちょっと太りましたか? またムチャ食いし
      てるんでしょ そゆことしてるとしにますよ
(しびる)>しぬって なんで漢字を使わない? あー 小林尽か
(のりこ)>スクランのネタネタみたいな作品ですけどね ヤキソバ
      できましたですよん ビール足りてますか お箸です
(しびる)>そういや小麦が値上がりしててなあ めん類なんざ直撃
      だろ ってこっちではどうなんだか?
(のりこ)>しびさんの位相ではタイヘンなんですね こっちではネ
      オバブル初期にぜんぶどかんと値上がりしましたからね
(しびる)>いろいろ解決してるからいいよなあ あ ムシウタの最
      終回やってるな ハダカの姉ちゃんが死にかけてるぞ
(のりこ)>なんかぜんぜんわけわかんないですね あたりまえです
      けど ZER◎の方には村上隆さんがでてましたね
(しびる)>なんでも商売にして儲けたやつが勝ちだよな そういや
      おっぱっぴーが流行ってるな 定期的にああいうのがで
      てくるのはなにか法則があるのかね
(のりこ)>そんなのかんけーねー そんなのかんけーねー おっぱ
      っぴーですね 近所でこどもたちがやってるの見ました
      それってルーさんが定期的にくるのと同じですね
(しびる)>確率と周期は現象は同じでも別物だけどな
(のりこ)>ん? あー 現象が同じなら同じなんじゃないですか?
(しびる)>まあいいや さっきやってたとんねるずの細かくてわか
      らないものまねのコーナーはいつ見てもおもしろいよな
(のりこ)>なんかレギュラー化してる人たちはどうかと思いますけ
      どね もっとマイナーな芸人さんが見たいですよ
(しびる)>レギュラーはそれでいいじゃん あとコミックスを大量
      に転送しただろ 整理分類は追い付いてるのか?
(のりこ)>ぜんぜんひどいもんです(笑) そもそもコメントを上
      げるのは諦めましたけど せめて再読くらいは順番に片
      したいですね ひどいのになると初読もいまだに
(しびる)>いかんよなあ 書架の増設しかないかね けっこうきつ
      いことになってるんだけど まましかたないか
(のりこ)>あーそうだ 今夜の『怪物王女』と『シャナ2』と『ガ
      キの使い』が完全にかぶってるんですよね どれかリア
      ル視聴に てか ガキ以外には選択肢はないんですけど
(しびる)>25時台だろ あしたも早いんだけどなあ その録画計
      画にはハイフンは入れてないだろ? そっちにまわせ
(のりこ)>んー ハイフンくんはできるだけそういう仕事をさせな
      いようにしてるんですけどね あ バッカーノが始まり
      ました これも継続を外して久しいですけど
(しびる)>遊ばせておくなよ もったいないじゃん なんかこのノ
      リにはどうも馴染めないよなあ OPだけで気分が萎え
      ちゃうのはどうしようもないし 見ないよ 今回も
(のりこ)>最終回だけといえば 『モノノケ』も最終回だけチェッ
      クしてみましたけど 継続を外したとはいえ よくでき
      てましたね マックス80%って感じは否めないですが
(しびる)>辛口だねえ(苦笑) シュールなんだかホラーなんだか
      軸足がどこにあるのか定まらないんだよな これはそう
      いう揺るぎを計算したんじゃなくて ホラーに徹しきれ
      なくてシュールに逃げたとしか思えないし
(のりこ)>しびさんの方が辛口(笑) そういや『電脳コイル』が
      夏休み明けからいっきにきましたね こっちの方がメタ
      サイエンスからホラーへ突き抜けるぞ って意気込みが
      伝わってきてすごいですよ かなり評価高いです
(しびる)>まあそれなりにな なんかキャラ造形のチカラ加減がい
      まだに馴染みきれないんだけど そこそこいいじゃん
(のりこ)>中途半端な評価ですね まあいいですけど そこそこ新
      番組も始まってきましたし 早め早めに攻めていかない
      と 秋の改編は年に2回の大改編ですからね
(しびる)>地元U局の会社更生手続きが13年掛けて終了したって
      さ そのせいか知らないけど やたら深夜アニメにもチ
      カラ入れてくれちゃって おかげでバラエティの曜日な
      んか変更しまくり 痛し痒しって感じかな
(のりこ)>しびさんてばまあトーク系のぼんやりバラエティが大好
      きですもんね あれならまだ水どうの方が理解できます
(しびる)>『谷口な夜』とか『サクサク』とか『矢口ひとり』とか
      ああいうの大好き(笑) 一日中見ててもいいな
(のりこ)>しょーもない番組ですよね 楽屋受けみたいなバカ騒ぎ
      してて どっちでもいいような情報をどうでもいいって
      感じで流して まったく時間のムダです
(しびる)>まったくそのとおりじゃん のびちゃん正解(笑)
(のりこ)>ですから録画してまでは見ないでくださいね
(しびる)>うん 見逃したってまったくくやしくないから んじゃ
      まてきとうに行も埋まったから終わりにするか
(のりこ)>まだ帰らないで一緒に『ガキの使い』を見てくださいよ
(しびる)>だからハイフンに録画させろよ
(のりこ)>ダメです
連作31 緩連作07 青白い月 別にただの月
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 種別 連作系第31期 緩連作07
 題名 『 青白い月 別にただの月 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年10月27日02時03分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】07 青白い月 別にただの月

 ST V.4.6 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #07(B群)




        『 青白い月 別にただの月 』


                        作:しびる





  対岸の住宅街が切り絵のように 気味が悪いくらい真っ赤な夕焼
 けが景色を染める これが世界の終焉だと 太陽信仰も理解できな
 くないなんて 土手に腰掛けてぼんやり考える 電車のガタコト
  少し遠くに鉄橋が河を渡る 遠くなのに電車の窓に人のシルエッ
 トがハッキリ見える かすかに聞こえる踏切の警報は 土手の轍が
 あの場所まで続いている証拠 少し涼しくなってきたかな

 『金網はコンビニに売ってなくて そこの雑貨屋で買った』
 『最初からそうすればよかったのよね まあ 段取りの悪いこと』
  砂利をはね飛ばしながらスリップ気味に停車する くすんだ色の
 軽自動車から降り立つ男女 背伸びをしながら立ち上がる
 『遅いよ 6時集合って話じゃなかったのか これ 肉と野菜』
 『花火も買ってきたわよ 場所は この下でいいわね』
  野外バーベキューだ 行く夏を惜しんでの納涼企画 近所の河川
 敷きに現地集合 6時集合が既に30分遅れ 急いで搬出を手伝い
 ながら まだ頭の中がぼんやりしている 拡がった気分
 『去年もこの場所だったろ まだほら 焼け跡が残ってる』
 『もっと下流だな あれは 1年も経ってない 最近の感じだ』
  毎年こうして夏の終わりをやり過ごす てっきり去年と同じ場所
 だと思っていたのに なるほど 言われてみれば新しい焼け焦げだ
 あれから雨も降り雪も降り 増水だってしただろう 道理だ
 『どうでもいいじゃない 怠けてないで運んでよね これも』
  どこから調達してきたのかサラダオイルの缶 それを横に切り開
 いて金網を載せる 炭と着火剤と焼き肉のタレ 箸と皿と缶ビール
 肉に野菜に大量の花火 行く夏に必要なのは これですべてだ
 『これですべてよね さて じゃんじゃん焼くわよ 火を点けて』
 『ああ それは俺がやるよ 岩城 着火剤があったよな』
  赤から黒へ 世界の色彩がゆっくりと移ろう 炭に垂らした半透
 明のジェルが ライターの火を静かに吸い込む 瞬間 炎の輝きが
 周囲の光を消し去ってしまう 思わず見上げれば 真っ赤な空
 『まずビール 河原で焼き肉食って 乾杯せずにただ飲む』
 『風情がないのな まあいいや かーこは なんだ飲んでるのか』
  みんなてんでに缶ビールを煽る 区切りもなしにだらだら始める
 なにかの記念じゃなし ただ適当に約束して たまたまこの日に決
 まっただけ 肉を食べてビールを飲んで花火をする それだけ
 『たくさんあるわよ 野菜は生でも食べられるから はい 味見』
 『おう 生の肉でも食べる 古旗あ 花火しようか 花火』
  彼らは一緒に暮らしている どこに住んでいるのか知っていても
 行ったことがないので様子は知らない どちらかに連絡すれば話が
 通じる それだけで充分 なんだかわからないものの上に座って缶
 ビールを飲む そろそろ対岸の街並みに空が同化する
 『まだいい 食べてからに っても聞かないか 岩城は』
 『とんちゃんくらい社会性があればねえ っても仕方ないけど』
  岩城は学生の頃からの友人 どんな仕事をしているのか知らない
 が 食っていけてるのなら正業には就いているのだろう 彼女のフ
 ァーストネームはかなこで かなこかなこでかーこかーこだ
 『かーこが飯を作ってるんだろ 岩城って子供だし 大変かい』
 『それほどでも 昔からほら 弟が3人もいたし なんか同じね』
  持てるだけの花火を持って やけに景気良く振り回している 水
 面にキラキラ反射して 既視感じゃない 毎年同じような光景が繰
 り返されて 少し涼しい風に焼けた肉の香り 時間が間延びする
 『なに話してんだ 花火しろ なくなるぞ いいのか』
 『肉が焦げるって なんだって順番だろ 終わらせて次だな』
  赤いのか黒いのか そろそろ見分けが怪しくなる 花火の輝きが
 眼に焼き付いて 瞬きするごとに白い影が浮かんで消える
 『今年もこうして焼き肉食べてるのな 岩城もかーこもいるし』
 『感傷的じゃない とんちゃんってば少しオヤジ臭くなった』
  毎日色々なことがある ほとんどすべてがつまらなくて些末なこ
 と たまに楽しいこともやるせなくて ただ時間が過ぎていくこと
 にぼんやりと憂鬱で 缶ビールを飲み干して そして踏み潰す
 『花火でもするかな どかーんと派手なのを みんな同じだろ』
 『どーだか とんちゃんは疲れてるわよん 楽しみなさいな』
 『かーこの言うとおりだ ハメ外して馬鹿騒ぎしろ ほら』
  ぎらぎら光る花火を手渡されて 並べたロケット花火に次々点火
 する この程度では対岸まで到達しないか 耳をつんざく発射音に
 少しは気分も盛り上がる 夏の終わりは やはり花火か
 『まあ 楽しいかな 岩城もかーこも なに食ってんだ お前ら』
 『肉が焦げる 花火の係りはひとりで充分だ 続けろ』
  少し調子に乗って振り返れば ふたりでビールを飲んで焼き肉を
 食っている 煽っておいてそれだけ なんとなく この場の意味が
 見えた なんとなくの集まりのハズが なんとなくではないのか
 『そんなに危なげに見えるか 岩城 お前の暮らしの方がだな』
 『花火係は黙って仕事しろ かーこ ビールくれビール』
  緑色の火花を手に持って 夕陽を背にして川辺りに立つ 黒ベタ
 の風景に炭火の輝き 前にもこんなことがあった 頭の中が風に溶
 けてゆくような感覚 少し危ない 花火の煙が気付け薬になる
 『とんちゃんもー 花火に堪能したら焼き肉ね ほら ビールも』
 『ああ なんか 一生忘れてることを 思いだしそうな気がする』
  この時期の憂鬱を いつも花火と焼き肉でやり過ごしているよう
 な気がする 夏の終わりにケジメをつけて 涼しくなりはじめた風
 高くなりはじめた空 胸の疼きを馬鹿騒ぎでやり過ごす
 『そんなの忘れちゃいなさいよ もっと花火あるわよ ねえ』

  じわじわにじり寄る気分が傍にそれて ふっとどうでも良くなる
 にわかに現実味が頭の中に拡がって なにも考えずに立っていた
  遠く鉄橋を通勤電車が渡ってゆく 黒いシルエットに車内の人影
 を映して いつもあの中にいる自分が 今は花火を握ってぼんやり
 と眺めている 空はそろそろ本当に夜で 見上げると細い月が浮か
 んでいた 青白い月 別にただの月












             》 しびる 《
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(のりこ)>なんかどうしようもない感じを表現したかった?
(しびる)>まあそうなんだけど ちょっとリアルから乖離した感覚
      のときってあるじゃん? 例えば熱にうなされて天井が
      まわっているときとか 叱られてるのにやたら客観的に
      状況を観察してるときとか そういう感じかな
(のりこ)>でもこの主人公くんは なんかリアルにココロを病んで
      て あーでもそうか それを客観的に観察してますよね
      いやでもそもそも1人称ってみんなそうじゃないですか
(しびる)>みんなそうなんだけど んー 簡単に説明するとどれも
      違う感じになるしなあ とにかくこういう感じなんだよ
(のりこ)>だからシーンを切り取るんでしょうけど いや そゆこ
      とはとてもよく理解させていただいてるんですが
(しびる)>なら尋くなよ
(のりこ)>仕事ですし(笑)
連作31 緩連作06 緑に染まれば 4
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 種別 連作系第31期 緩連作06
 題名 『 緑に染まれば 4 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年10月23日01時44分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】06 緑に染まれば 4

 ST V.4.6 SLBs N-Sta.2.1

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #06(A群)




         『 緑に染まれば 4 』


                        作:しびる



  4:グリーン・ランド

  若い作業員たちはカーキ色の作業服に身を包み 件の女性はスー
 ツにヘルメット 全員が同じマークの緑十字 低く唸る機械音以外
 はまったくの静寂 いや 耳を澄ませば木々のざわめき すべての
 視線が俺に集中する 根本的な部分で場違いな そんな空気

 『なにが ですか』
  そう尋ねるのが決定事項だったように 俺が話すまで沈黙が続い
 た 呼び止めて忠告するなら 彼女から話すべきタイミングだ
 『さあ それがわかれば あー 須藤組の社員が知らないわけない
 わ でもマスコミ関係が知らないのも変ね 誰なわけ あなた』
 『だからさっきも説明を もういいです 失礼っ』
  訝しげに眉を寄せて 話す気がないのなら長居は無用 どこか探
 せば社員証もあるが 提示して証明するほどの価値もない
 『主任 胸に社章を付けてます マズイんじゃないですか』
 『あらそう やっぱり本物か 高島さんとか言ったわね どこまで
 行くのか知らないけど 乗物をチャーターした方がいいわね』
  若手の中でも少し歳上そうなのが聞こえよがしに進言する マズ
 イとか本物とか ずっと気になっている苛々した感触 主任と呼ば
 れた女性が髪をかき上げながら頬を歪める 今の発言は対策に関す
 るレクチャーだが なにが に対する返事をはぐらかされた
 『ヘリは帰りましたから 徒歩です なにが 危ないのですか』
 『あー そうね それが肝心だけど 正直言ってなにがなんだかわ
 からないのよ とにかく嫌な感じ よければ乗せてくわ どう』
  そう言いながら車を指さす 先ほどの測量関係者と違って 危な
 いから助けてやろうとする話の筋道は存在しているらしい これ以
 上の会話は果たして実があるのか 乗せてくれるなら従うまで
 『助かります なにが危ないのか知りませんが A4でトラブリま
 して とても急いでいるんですよ 悪いですね』
 『悪くないわよ ウチがこうして社員を食べさせていけるのも 本
 社様のお蔭ですもの 東野 送ってさしあげなさい すぐにだ』
  先ほど進言した彼が東野という名前か すっと目配せされて車に
 駆け寄る この際だからどうでもいい 遠慮せずに助手席に乗る
 『すみませんね ウチの主任 納期が遅れて苛々してるんですよ』
 『いや 仕事の邪魔しちゃって そんなに危ないですか ここは』
  無骨な営業車にかわいいヌイグルミが 道路の凹凸に連れて揺れ
 ている 東野君は粋な印象の若者 彼なら少しは話せそうだ 周囲
 を見渡しながらストレートに質問する 車移動ならすぐの距離
 『科学的じゃないんですけどね たまに凄く嫌な感じが 誰かに見
 られてるような もう噂の段階じゃないですね 有名な話です』
 『はあ 有名ですか その 東野さんもそれを実際に ですか』
  返事はしなかったが 東野君はバツの悪そうな顔で小さく肩を窄
 める にわかに怪談じみてきた話題に鼻白む なにかケモノか物盗
 りの類とタカを括っていたのに 確認しようとした瞬間
 『ああっ ほら この感じですよ すみません 引き返しますっ』
 『そりゃ困るよ ここで降ろしてもらう 停めてくれ キミっ』
  急に叫んだかと思いきや いきなり顔色を変えてブレーキを踏む
 この感じもどの感じも シートを抱え込んで後方を睨み付ける あ
 まりの慌てぶりに背筋が寒くなり サイドブレーキに手を掛けたの
 は無意識だった すぐにエンスト それで気が付いた
 『ならすぐに降りてくださいっ 冷たい手で心臓を掴まれる』
 『よくわからないなあ 調子のいい太鼓の音しか聞こえないけど』
  眉間にシワを寄せて 鬼気迫る表情に聞き覚えのある太鼓の音が
 重なる テケテンテケテン あれは森野みどり君の太鼓の音だ
 『なにも聞こえませんよ 変なこと言わないでください じゃっ』
  穏やかな青年だと思っていたのに この豹変ぶりは驚きだ ドア
 を閉めるなり激しく方向転換し 砂ぼこりを立てて走り去ってしま
 った なにがどうだというのか すぐ背後で太鼓の音
 『かなりリズムが乱れていますね 須藤組さんもまだまだです』
 『みどり君か 太鼓の音が聞こえたからね 探してたんだよ』
  遭難を知って放置するのは気が退ける こうして人通りのある場
 所にいるのならただの他人だ 一安心して振り返る 緑ずくめの姿
 主義かファッションセンスか知らないが 少しやりすぎだ
 『この辺りはもう あたしの力だけでは無理かもしれないです』
 『なにが無理なのか知ったことじゃないけど ここまで来れば大丈
 夫だよ 君の仲間もすぐ近くにいる 悪いね 急いでいるんだ』
  これ以上同行する義理はない むしろ以後の任務を考えれば足手
 まといだ おそらく俺の仕事は彼らの排斥 どうせ思想は正反対で
 最終的には双方が実力行使 勝てば官軍 いや官軍が勝つ
 『あたしなら構いませんよ 須藤組さんは少しずつ良くなっていま
 すからね もう少し聞いていなさいね えいっ えいえいっ』
 『神経に障るからね その太鼓 辞めてくれないかなあ』
  かなり異常な状況だ テケテンテケテンテケテンと まるで歩調
 に合わない不思議なリズム せめてマーチかなにかなら しかし彼
 女の歩調とは完全に合致している そのうち歌でも唄いそうな勢い
 『ところで みどり君はなにをする人だ 自然保護はとにかく』
 『いやそれが 不思議な感じなんですよ すごく不思議な感じ』
  会話が噛み合わない もしかすれば最初からなにひとつ通じてい
 なかったのかもしれない 俺も彼女もただ自分の言葉を発している
 だけで ふとそんな気がして さらに繰り返してみた
 『普段の暮らしのことだよ 学生なのか それとも仕事をしている
 のか そんなふうじゃ生きていけないだろ 人間ってのはさ』
 『気が付くとこの場所に あれ あらららら なんだっけ』

  急に太鼓の音がやむ なにが起こったのかと思えば 額に人差指
 を当てて唸っている 気が付くとこの場所に それがなにを意味す
 るのか どうせ噛み合わない会話 無意味は常套句だ
  そろそろ夕暮れが近いのか 青空に浮かぶ雲に赤味が増す 遠く
 響く木々のざわめきが 不意の突風になって砂埃を舞いあげる 眼
 を閉じて再び開けば 今いたはずの彼女が消えていた












             》 しびる 《
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(のりこ)>みどり4です さてかなり怪しくなってきました みど
      りちゃんは完全に目の前から消失してますよね
(しびる)>一気に行かなきゃな わりと短期決戦のネタを仕込んで
      たから ここは予感で引っぱるんじゃなくて 超常現象
      をどんどん具現化して進めないと と思ってたんだけど
(のりこ)>と思ってたんですか まあウチの作品はなかなか着地で
      きないことが多いですからね ちなみにこの時点の『短
      期決戦のネタ』ってのはどういう感じだったんですか?
(しびる)>んー まあいいか のちに位相系に完全に変調しちゃっ
      てるけど この時点でも森野みどりはパラレルでいこう
      って決めてたのな 太鼓の音は主人公にしか聞こえない
      じゃん? もしなんならそれ以外の人間は彼女に触れる
      だけで位相分解しちゃってもいいくらいの感じで
(のりこ)>みどりちゃんに触れると肉体が分解するって感じですか
(しびる)>空間的に表裏が反転して肉塊になるとか 空間的に分断
      されてしまうとか とにかく禍神的な存在だな
(のりこ)>なるほど
すきま あにめだいすき 69
(しびる)>ういーっす 秋だよなあ 最近まで夏だったのにさ
(のりこ)>あ おはようございます 季節の順番的にはそれで正解
      なんですけどね ちょっと地球が傾いてるだけでこれほ
      ど気候が変化するんですもん やっぱし月や火星に住む
      のはタイヘンだと思いますよ そもそも太陽系はー
(しびる)>のりこ拡げすぎ さて終了点検の続きな
(のりこ)>ういっす まずは『さよなら絶望先生』ですが 最後ま
      で女の子キャラの紹介が基本構成なんですよね なんか
      そこを律儀にやらなくても って気がするんですが
(しびる)>そゆのはべつにどうでもいいじゃん 黒板ネタとか い
      ろいろかなりいいネタが多かったと思うぞ 糸色がムリ
      こに持ってくるトークだって ちゃんと聞けばなるほど
      って感じだったし そりゃ絶望するよなとか思うもん
(のりこ)>まあいいですけどね 国民に保証された最低限文化的な
      文化祭はちょっとおもしろかったかな それと最終回の
      OPはオーケンさんに戻ってましたね
(しびる)>EDの曲はけっこう好きかな とにかく全話通してやた
      らテンポのいい作品だったし ダレないのは好印象だな
(のりこ)>みんな早口で捲し立てて よく考えるとかなり異常なス
      ピードですよね あーそういえば 最終回のOPのコピ
      ペネタは知らないものでしたけど あれなんです?
(しびる)>なにってお前 あー 女の子がそゆこと言うなよな
(のりこ)>あー そういう内容ですか んじゃ次いきます 次はこ
      れかな 『ゼロの使い魔2』 このバカいぬー!
(しびる)>いろいろヴァージョンアップしてるのはいいんだけどさ
      基本の世界設定が戦争じゃん べつになんだっていいん
      だけど もうちょいドタバタラブコメの線でいけなかっ
      たもんかね なんか重いんだよなあ 死ぬとかなんとか
(のりこ)>それはありますかね 女王さまとか絡めるにはこういう
      描き方でベターなんでしょうけど 例えば女王直属の隠
      密って部分をもっと拡げて 毎回いろいろな精霊やら盗
      賊やらとドタバタやるとか そゆ感じにですね
(しびる)>それ前回のシリーズそのまんまじゃん(笑) でもそれ
      がベストかな 続編だからって ルイズのふにゃふにゃ
      をヴァージョンアップするのはいいけど 世界観をスケ
      ールアップする必要まではなかったんじゃないかと思う
(のりこ)>でも最終話はちょっと盛り上げましたよね サイトくん
      とルイズちゃんの結婚式でぐぐっと引っぱって ひとり
      大軍と戦うところでどかん ラストのグダグダまで非常
      にオーソドックスなんですけど これだけちゃんとやる
      とそれなりに感動するもんですね
(しびる)>まあな これでもかってツンデレ構成だけどな
(のりこ)>ひとつ惜しいのは 結婚式でルイズちゃんが眠らされて
      サイトくんがルイズちゃんをジュリオくんに託すじゃな
      いですか あのシーンで『オレの女房を頼む』的な発言
      があると抜群だったんですけどね せっかく結婚式を挙
      げたってことが活かされてないんですよ あれじゃ
(しびる)>中学生って設定だろ そもそもお前くらいの年齢は結婚
      するって部分にイメージのウエイトを置きすぎ いまの
      世界観じゃ告白とキスと交尾と結婚は同列なんだぜ?
(のりこ)>それは違うでしょ いや違うはずですよ
(しびる)>はいはい んじゃ次いけ
(のりこ)>むー まあいいですけど でもですね あんまし近々の
      ネタバレ話ばかりするのはどうかなあってさっきの会議
      はどうなんですか? 配慮しなきゃいけないですか?
(しびる)>あー(笑) あえて気にするな
(のりこ)>了解っす んじゃ次は『GOLDEN EGGS』
(しびる)>ういーあーごーでんえっぐ ういーあーごーでんえっぐ
(のりこ)>何回か野球中継の関係で飛ばしちゃいましたけど この
      OPはいいですよね それになにげにネタのレベルが高
      いでしょ 会話もよく練れてるし
(しびる)>たいした内容じゃないけどな んでもなんかこのキャラ
      造形は好きだったんだよなあ 白目の変なギラギラとか
      イヤなクチの開き方とか 小首の傾げ方とか
(のりこ)>こういうの(小首をくきくき クチをぱくぱく)
(しびる)>セリフで説明しろって(笑) なんかDJMAXって矢
      口ひとりのときの劇団ひとりに似てないか?
(のりこ)>あはは ファッションセンスとかですね ところで来週
      からこの時間は『パセリ』を放送しますって なんでし
      ょ? アニメのタイトルなんでしょうかね
(しびる)>来期のことはまだいい とにかく今期の終了点検が先な
(のりこ)>さてんじゃ次は『CODE-E』
(しびる)>なにも始まらないのに終了かよ どうなってんだよ
(のりこ)>てか なんですかこのラストは? あんましバカバカし
      すぎて暴れそうですよ なにが? なぜ? 結局?
(しびる)>ツッコミどころが多すぎてやばいな
(のりこ)>いままでRに焼いたのも全部廃棄処分ですか あーでも
      後番は『もっけ』ですね その話でもしましょうか
(しびる)>とにかく残りはぜんぶ消去でいいや さていまんとこ終
      了点検できそうなのはこんなもんか
(のりこ)>えーっと そうですかね そういや『ひぐらし』の放送
      中止が復帰ですね このまま終了かと思いきや
(しびる)>このあとだったか そういうころころ変わる対応にこそ
      問題があるってことに気付かなきゃいかんのだが
(のりこ)>まあいいじゃないですか ひぐらしは力こそ入れてない
      ですけど毎週チェックしてますし
(しびる)>べつにいいけどさ んじゃ終了解散ってことで
(のりこ)>お疲れさまでした
すきま あにめだいすき 68
(しびる)>ういーっす んじゃアニメ枠でもやるか
(のりこ)>あ おはようございます そろそろ終了する作品も多い
      ですね また来期もえらいことになるんだろうなあ
(しびる)>んじゃ終了点検でもするか まずなんだ?
(のりこ)>えーっと 『らき・すた』が終了しましたね ラストの
      大ネタは学祭のチアですか OPとのネタリンクですね
(しびる)>うんまあ あんな感じかね 後半やけにキャラ増やして
      続編への伏線かと思いきや ラインのキャラ増やすため
      の作業だったのか と納得しておけばいいかね
(のりこ)>そもそもカタルシスって内容じゃないですし みんな楽
      しそうでそれでいいじゃないですか アニメ版はコミッ
      クス版よりこなちゃんの比重が大きいかなあとか思って
      ましたけど 最近読み返してみるとそうでもないですし
(しびる)>ちょい使い方は違うような気はしたけど?
(のりこ)>そんなに違わないですよ 違うのはCパートの『らっき
      ーちゃんねる』くらいですか あの暴走はかなり
(しびる)>あれはいいや(笑) そもそも楽屋オチなんて言葉は意
      味ないんだけど まま おもしろい作品だったかな
(のりこ)>ですね なんだかんだって んじゃ次は『ぽてまよ』
(しびる)>今期いちばんのお気に入りだったかなあ 最初はどうか
      なと思ってたんだけどさ キャラも空気もOPもEDも
      なんもかんもぜんぶいい感じだったな まーにゃ?
(のりこ)>いい感じ まさにその表現がぴったしでしたね ぽてち
      ゃんもただのかわいいだけのキャラじゃないし 森山く
      んの存在が大きいですね 脇のみんなもいわゆるありも
      のキャラなんですけど バランスですか やっぱし
(しびる)>最終話 森山の母親の話から ぽてたちの花が咲くとこ
      ろまで なんかすごいものを見たなと思った
(のりこ)>しびさんちょっと泣いてたし(笑) でもぽてちゃんが
      死んじゃったのは それまで盛り上げてたのもあいまっ
      て 私なんかぼろぼろ泣いちゃいましたよ
(しびる)>いい歳してなあ アニメ見て泣いてるもんな なにやっ
      てるんだろうなとも思う ま いいけど
(のりこ)>で あのちびちゃんたちはなんなんだー というのはま
      あいいですかってネタですね ラストに新キャラはお約
      束でしょうし さっきお風呂入りながら続編とか考えて
      たんですけど やっぱしそれはないですか
(しびる)>ないだろうな これで完結 それで充分だわな
(のりこ)>ですね しかしあれですね ぐちこちゃんのなにか言い
      たげでもじもじしてたシーン あれはなにか言葉にでき
      ない感情が湧いてきましたけど なんでしょ?
(しびる)>なんだと訊かれてもなあ のりこの脳内物理だしな
(のりこ)>母性本能でもないし なんかもっと危うげな?
(しびる)>そういう話はやめろ とにかく 今期はぽてまよがあっ
      てよかった 殺伐としたくらしの中の大事な時間だった
(のりこ)>見てて楽しかったですか
(しびる)>うん 楽しかった
(のりこ)>よかったですね
連作31 緩連作05 緑に染まれば 3
+++++++++++++++++++++++++++++++
 種別 連作系第31期 緩連作05
 題名 『 緑に染まれば 3 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年10月13日00時54分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【緩連作】05 緑に染まれば 3

 ST V.4.6 SLBs Nobi-Standard.2

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #05(A群)




         『 緑に染まれば 3 』


                        作:しびる



  3:グリーン・ハンド

  不意の風に砂埃が舞い上がる 耳の奥に残る妙なリズムの太鼓の
 音が 木々のざわめきに混じって渦を巻く そもそもこんな辺鄙な
 場所にいたのだから 今更逸れてどうだというのか シダを外れれ
 ば獣も通わない密生樹林 連絡道を辿ればどこかに抜ける
  しばらく考えて そう決着した 今ここにこうしているのは仕事
 であって その原因は彼女とその仲間達 だから放置するわけでは
 ないが すべてを後回しにして探す義理もない あとでしかるべき
 機関に連絡すればいいだろう こちらは時間が押している

 『おーい 助けを呼んでくるからなーっ 悪いけど』
  最後が小声になったのは 若干後ろ髪を引かれる気分もあったか
 ら すぐにキビスを返して歩き始める 放置すると決めたからには
 誰かに出逢って話をするのが先決であり 俺の仕事も彼女の身の安
 全も とにかく誰かに連絡して そこでハッと気付いた
  別に慌てて人間を探さなくても 鞄の中に携帯電話があるではな
 いか 地球を周回する88個の衛星を使えば どんな辺鄙な場所で
 も通話は可能だ 会社に連絡すればジオン建設関係の最新情報も入
 手できる 彼女の捜索願いも現場からどうにかできる 簡単だ
  プレハブ建築は思ったとおりの無人だった 既に酸性シダの腐食
 によって廃墟も同然 ヴィールスが安定期に入るまでは駆除も不可
 能で 意味のない不安感を抱きつつ 携帯電話を取りだした
 『衛星回線エラー 地上波受信状態不良 主電源・電圧不足』
 『なんだこれは あー ああっ』
  エラーメッセージが表示できる限りすべて点滅している 衛星波
 が受信できない環境じゃなし 電池が切れる寸前の典型的な表示パ
 ターン 充電したのはいつだったか 舌打ちしても既に遅し
  仕方がない A5を突っ切れば広大なC1 その先がA4 その
 うち誰かに出逢うだろう そう考えて足早に進む ほんの数十分前
 までは地上数十メートルで仕事をしていたのに 今は赤土の大地を
 踏み締めて歩いている なにが起こるかわからない そんな日か
 『ふう やっと人間に出逢えたよ どこの会社の人ですか』
 『あんたは誰だよ どこから来たんだい 危ないよ この辺はさ』
  どれくらい歩いたか ようやく作業服の人間を見付けた 安全靴
 に緑十字のヘルメット 車に積んでいる機材からすれば測量関係か
 それにしても錆びた車は やはり酸性シダの影響だろうか
 『ジオン建設の人を探しているんですよ ああ 私 須藤組です』
 『須藤さんっすか なんかA4の方でもめてましたよ 誰が悪いの
 か知らないけど ここは お宅の会社が仕切ってるんでしょ』
  作業をしながら こちらも見ずに言い捨てる ウチの下請けの下
 請けだろうが ベンチャラはとにかく舌打ちはないだろう 少しム
 ッとしながらも下手に話す 現場には現場の仁義や作法がある
 『その件で来たんですよ ところで すみません 携帯をお持ちで
 したら貸していただけませんか 社の方に連絡したいもので』
 『なに この近辺じゃ使えないよ まあ 本社組は知らないか』
  にべもない 話すほどに丁寧な俺と よく考えれば自己紹介もし
 ていない彼は なるほど車の横腹を見ろか バンの後部ハッチを激
 しく閉めて 向き直りながら携帯電話を目線に翳す 同じ表示だ
 『ここいらの土壌は鉄分が多くてさ FRはナントカって物質を活
 性化するだろ 反応してこの通り 風のある日は全滅だよ』
 『そんな話 なにも聞いてないなあ どこの現場でもそんな話は』
  確かにこの近辺は 特に第4工区は土壌の鉄分含有量が非常に高
 い 足元の赤土は酸化鉄の赤色 反応物質に関しては専門外だが
 『フィールドワークでは常識だよ もういいかな 急ぐからさ』
  取りつく島がない さっさと車に乗り込み 砂ぼこりを立てて走
 り去ってしまった ここから先の連絡道は整地されている 安定化
 が進んだ結果 厄介な酸性シダを除去することができたからだ
  それにしても 人間に出逢ったからといって事態が進展するとは
 限らないらしい なにをやってもうまくいかない日 またもや仕方
 なく 轍に沿って歩き始める 遠くに鉄塔が見えている
 『ちょっと ここは関係者以外立入禁止よ 取材するなら本社の広
 報を通してもらわなきゃ ったく 警備はなにやってるのかしら』
  俺と同年代くらいの女性だ 周囲には若い作業員が見たこともな
 い装置を取り囲んで作業中 おそらく女性が責任者だろう 俺を見
 るなり語気を荒げて 説明する暇も与えない
 『とにかく即刻退去してもらうわよ 書きたければなんでも書いて
 ちょうだい ノーコメント マスコミに話すことはなにもないわ』
 『あー 違うんです 取材ってなんですか 須藤組の者ですが』
  作業はどうやらボーリングの類 それにしては規模が小さい そ
 もそも地質調査なら計画段階で終了している 社名を告げた途端に
 全員の視線が集中する 一瞬だけ空気が変わった そんなふうだ
 『はん それはどうも失礼 それで どちらに決まりましたか』
 『なにがですか 第3事業部の高島と申しますが C区に関しては
 関知しない部分が多いもので なにかその 噛み合ってませんね』
  途方もなく広大な建設予定地をいくつかに分割し 収益性の高い
 施設から建造し資金を回収する そのため工区によって工事の進行
 レベルは様々 担当区域外でなにが行われているのか知る由もない
 『あらそう じゃ関係者でもマスコミでもないわけ 誰 あなた』
  どうもこの工区では自分から名乗る習慣がないらしい ぽっちゃ
 りした頬を僅かに歪めて 腰に当てた手を大袈裟に振り解く 人の
 話を聞いているのかいないのか 遠くでなにかの咆哮 気のせいか
 『だから第3事業部の あー A4の担当ですが もう結構です』
 『知らないみたいだから忠告するわ 危ないわよ 徒歩は』

  苛々した人間ばかりだ このグリーンワンダーランド計画は非常
 に優良な計画で 資金繰りは順調 法的にもすべての問題をクリア
 している 孫受け業者にしわ寄せを食らわせるような無茶もしてい
 ないハズで きょうの午後まで若干の問題も発生していなかったの
 に なのにこの状態はなんだ 出逢う人間すべてが苛々している
  話す気分も萎えて歩き始めたところに まるで冗談と思えないよ
 うな口調で忠告だ 真っ直ぐ見通せる幅の広い道路をただ歩くのに
 いったいなにが危ないというのか 振り返って また作業員全員と
 視線が合った どうやら 冗談ではないらしい









             》 しびる 《
+++++++++++++++++++++++++++++++
(のりこ)>みどり3です さて大騒ぎしているうちになにやらネタ
      が展開してますね ナゾの怪現象ですか って怪現象は
      おおむねナゾなんでしょうけど どういう予定でしたか
(しびる)>んー 続ける予定が皆無なら話してもいいんだけど
(のりこ)>って わずかでも続く予定があるんですか?
(しびる)>なきにしもあらずんば虎児を得ず(訳:ないって断言し
      ちゃ虎の子をつかまえる可能性はゼロだよな)だろ
(のりこ)>まあそうなんですけどね とにかく 森野みどりちゃん
      は後に覚醒するでしょ 未来とか核廃棄物とか
(しびる)>そのへんのネタの傍系だわな この時点ではもうちょい
      違った使い方をするつもりだったけど
(のりこ)>ふうん 聞くは一時の得 聞かぬは一生の得 ですね
(しびる)>違うと思う
連作31 緩連作04 緑に染まれば 2
+++++++++++++++++++++++++++++++
 種別 連作系第31期 緩連作04
 題名 『 緑に染まれば 2 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1998年10月06日01時40分
 注釈 行頭スペース+30W
+++++++++++++++++++++++++++++++
SUBJ:【緩連作】04 緑に染まれば 2

 ST V.4.6 SLBs Nobi-Standard.2

 締めつけずゆるゆると 余分な力を抜き 緩連作 #04(A群)




         『 緑に染まれば 2 』


                        作:しびる



  2:グリーン・ゲージ

  須藤組は俺の勤める会社の名前 ネオバブルのご時世に 今を時
 めく中堅のゼネコンだ 建築に建設に都市開発 それら事業のピン
 はね業者 自分達では小屋ひとつ建てない 受注してすべてを下請
 け企業に発注する 巨大な事業を統合管理するための会社だ
  今回この地は大規模なリゾート開発 過去の遺産が焦げついた広
 大な土地を 我が社が買い叩いてレジャーランドに仕立てる その
 第4期工事区画の おそらくどこかだと思うのだが

 『須藤組の人なら えいっ これでもくらいやがれ えいえいっ』
  お互いが初対面でも 標準的なカテゴリーに所属している方が負
 けになる構図 どこに隠していたのか 小さな太鼓を叩き始める
 『この場所には たくさんの植物や動物がいたのに もうっ』
 『あーなんだその 困ったな ちょっと辞めてくれないか それ』
  テケテンテケテンと 妙なリズムで太鼓を叩く まだむかむかす
 る胸を押さえながら 無駄は承知で中断を進言してみる この手合
 いはなにを言ってもダメだと思ったが すぐに太鼓は鳴り止んだ
 『うん 健康な人が相手じゃないと不公平ですもんね 大丈夫』
 『悪いね どうもヘリに酔ったみたいで ところで 誰なわけ』
  歳の頃なら20代前半か そこそこかわいらしい女の子だ 適当
 にタカを括って方向を定め 歩きながら話をすることにした 急い
 でいるのは今も変わりないから 真剣に構う暇はない
 『あたしはですね 森野みどりです 実はみんなとはぐれちゃいま
 して てっきり救助のヘリだと思ったのですが 違いましたね』
 『あ そう それは残念だったね ところで みんなって誰』
  はぐらかしているようじゃなし これはたぶん天然系だ そもそ
 もこの時代に自然保護だなんて 時流にずれた人間が普通であるわ
 けないか 遠くに看板が見える 急いでそこまで歩く
 『4のC2からC4か こりゃ世界の果てだな 君はどうする』
 『ここは鎮めましたから みんなと合流します はい』
  なにを喋っているのやら 所在地が判明すれば計測も容易い ジ
 オン建設が仕切る現場まで程度1キロ 平坦な路上なら10分で到
 着する距離だが 周囲はいかんせんの原生林 俺はどうする
 『みんなってのは まあいい おそらく目的地は同じだろうさ』
  北北西に進路をとる まっすぐ歩けば第4工区のC1だ 通勤カ
 バンにスーツに革靴 凡そジャングル探検に相応しい姿 やがて密
 林に消える赤土の轍をなぞって歩く ふと肝心なことに気付く
 『ところで森野君は どこから来たわけ C2は いやこの工区は
 FR処置がしてあるけれど おそらく連絡道はすべてこの調子だ』
 『なんだか 不思議な感じでした ああ みどりでいいですよ』
  足元に雑草が増え始める FR処置はヴィールスを使用した人畜
 無害な除草法 安定化まで数年が必要だから この区画は陸の孤島
 のまま放置されている 後ろの彼女がまた太鼓を叩いている
 『それじゃみどり君 なにが変な感じだって どーでもいいけど』
  返事ナシか なにがそんなに楽しいのか調子良く太鼓を叩きなが
 ら 話す気がないなら聞かないまでだ FR処置の副産物 群生す
 る巨大なシダ類を掻き分けて前進する テケテンテケテン行進曲
 『須藤組さんは もう元気そうですから これでもくらえっ』
 『元気じゃないよ 勘弁してくれないかな ったく』
  なぜこんな仕打ちを受けなければいけないのか 少し先に放置さ
 れた重機が朽ちている 酸性の粘液を微量に分泌するシダに汚染さ
 れて 硬質コンクリート工法も歯が立たない 悪循環の権化だ
 『この子達も 病気に罹らなければ普通の良い子だったのに』
 『それはなに このシダの話をしてるわけ 俺の責任でも会社の責
 任でもないよ 確かどこかの団体は 破壊神だって崇めてるだろ』
  その団体ではないのか 国際的な環境法整備の結果 一部企業と
 結託した環境保護団体の排斥ブームが巻き起こった 環境保護は公
 的機関が統べるもの 現存するのはパブリックかテロリストだ
 『あたしはそんなふうに思いません 悪い病気をまき散らしている
 須藤組さん達が原因で こうやってリズムを取り戻すのです』
 『はあ リズムねえ 太鼓叩いてリズムとりか ふん なるほど』
  違う世界の人間の考えることは意味不明だ 重機排ガスの排出基
 準やFR処置 敵はこんな小さな開発事業ではなく 世界すべてに
 基準を設けること それを実現したのが法整備 基準の普遍化だ
 『須藤組さんも リズムが乱れているのです えいえいっ』
 『いい加減にしてくれ 俺は バタバタしてても乱れちゃいない』
  どんどん進む もうかなり歩いたか 環境保護を唱えるのならば
 正業について税金を払うのが本筋 仕事中の俺が 太鼓を叩いてい
 る小娘に説教される謂れはない 苛々は大人気ないが
 『ほら 少しすると落ち着いてきますよ 黙って聞きなさいね』
  シダを掻き分けて進む 背後からは妙なリズムの太鼓の音 テケ
 テンテケテン テケテケテケテン テケテンテケテン テケテケテ
 ン 調子はいいが 心のどこかが必要以上に刺激される 苦い薬を
 飲まされるような 痛いツボを押されるような 妙な感触
 『太鼓を叩くだけならいいが 工事を邪魔するのはどうかな そも
 そもグリーンワンダーランド計画は自然と遊環境の調和を あっ』
  すっと視界が開ける 予定では第4工区のA5の端に到達するは
 ず 付近に見えるのはプレハブ建築 人の気配はないが A5を抜
 ければ最前線のA4だ つまり目的地 俺の担当工区である
 『よしっ ここまで来ればたいした距離もない なあ みどり君』
  ジオン建設の大石氏からの通話は絶叫を残して途絶えたが よも
 や埒監禁なんて荒事にはなっていないだろうなんて 様々な思考が
 一気に頭を支配する ジャングルと現実世界の狭間を跨ぐ
 『おや みどり君 どこにいるんだ おーい ここだぞーっ』

  それまですぐ背後に聞こえていた太鼓の音が なんの前触れもな
 く途絶えて消える 距離にして数メートルも感じていなかった 足
 音だって聞こえていたのに 振り返ってもシダの森 どこに消えよ
 うもなく 隠れる場所なら緑の保護色 なぜいないのか
  そもそも同行する義理もなく 立場的なら敵対してもおかしくな
 い しかしそうもいかないだろう あの軽装でジャングルに日が暮
 れる 大声で叫んで途方に暮れる 暮れてしまえば夜になるのに










             》 しびる 《
+++++++++++++++++++++++++++++++
(のりこ)>みどり2です いいテンポですね 初回よりはダウンし
      ましたけど それを凌駕する太鼓のリズム テケテンテ
      ケテンテケテケテン しびさんは小太鼓好きですよね
(しびる)>小太鼓っていいよなあ あのなんていうの? 底につい
      てるじゃらじゃらが響くのがいいじゃん? じゃらだん
      じゃらだん じゃらだんだんだん 鼓笛隊っていいよな
      あ ぷぱぷーぴーぴー じゃらだんだんだん てってて
      ぷぴぱー ずんだんだん じゃらだんぷぴぱー
(のりこ)>なんかゴキゲンですね いいことありましたか
(しびる)>べーつにー いいかげん社会人も長いと能動的に脳内麻
      薬を分泌できるようになるのよん コブラが無反応室で
      発狂しなかったのは心の中にビートが響いていたからな
      のと同じ原理だな 脳内鼓笛隊? ずん だんだん
(のりこ)>それはお気の毒に(笑)

Appendix

そうめんのカビ

 そうめんに限らず 穀物に生えるカビには発ガン性のあるものも存在します もったいないですがそうめんにカビが生えたらば廃棄処分しましょう 同じようにモチやパンもカビが生えたものは食べない方が賢明です

文責:そうめん愛好家・篠原のりこ


関連項目
編集会議 138
*議事録後半に『そうめんのカビ』について触れています


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篠原しびる

Author:篠原しびる
  
 ネット作家・篠原しびるが各所に書き散らかした作文を分類整理するために開設されたのが『篠原リサイクルテキスト研究所』です 篠原しびるをご存じではない方も心配しないでください 当研究所が開設されたからには 篠原しびるが思いの丈を注ぎ込んだ様々な作文をつぶさに閲覧し その人と成りをば誰の目にも明らかになるように見事分類整理されてしまうことでしょう しばしお待ちください そしてとくと堪能してください

 いつも思うのですが冒頭の挨拶はこれくらい曖昧でもいいのでしょう(ジオ分室トップページより抜粋)

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